個人事業主の消費税が払えない|確定申告は3月31日まで、中間申告の回数と納税の猶予
個人事業主の消費税は、確定申告と納税の期限が翌年3月31日です。前年の年税額が48万円を超えると中間申告・中間納付も必要になります。払えないときの換価の猶予・納税の猶予の要件と、国税の新規滞納の半分超を消費税が占める状況を、国税庁の公表資料(2026年11月5日確認)で整理しました。

消費税は、売上げとともに受け取った税額から仕入れなどで支払った税額を差し引いて納める税金です。売上げの入金を運転資金に回しているうちに、申告の時期に納税資金が足りなくなることがあります。国税庁の「令和7年度租税滞納状況の概要」(2026年8月公表)では、令和7年度に新たに発生した国税の滞納額9,935億円のうち、消費税が5,172億円(地方消費税を除く)と、半分以上を占めています。
本記事では、国税庁のタックスアンサーと公表資料(いずれも2026年11月5日確認)をもとに、個人事業主の消費税の期限、中間申告、払えないときの猶予の申請を整理します。所得税の延納・猶予は確定申告の所得税が払えない場合で解説しています。
出典:令和7年度租税滞納状況の概要(国税庁・令和8年8月)(2026年11月5日確認)
期限:個人事業主は翌年3月31日
消費税の確定申告と納税は、原則として課税期間の終了の日の翌日から2か月以内です。ただし、個人事業者の12月31日の属する課税期間の確定申告と納税の期限は、2月末日ではなく3月31日までに延長されています。個人事業者の課税期間は原則として暦年(1月1日から12月31日)です。
課税期間を3か月ごと・1か月ごとに短縮する特例を選んでいる場合は、期限が区分ごとに設けられます(3か月ごとの特例なら1〜3月分は5月31日まで、4〜6月分は8月31日まで、7〜9月分は11月30日まで、10〜12月分は翌年3月31日まで)。
出典:No.6601 申告と納税|国税庁(2026年11月5日確認)
中間申告:前年の年税額で回数が決まる
直前の課税期間(個人は前年)の消費税の年税額(地方消費税を除く)が48万円を超えると、中間申告と中間納付が必要です。1年に納める回数が増えるため、資金繰りの計画は中間納付の時期も含めて立てる必要があります。
| 直前の課税期間の確定消費税額 | 中間申告の回数 | 1回の中間納付税額 |
|---|---|---|
| 48万円以下 | 原則不要(任意の中間申告制度あり) | - |
| 48万円超から400万円以下 | 年1回 | 直前の確定消費税額の6/12と、その78分の22の地方消費税 |
| 400万円超から4,800万円以下 | 年3回 | 直前の確定消費税額の3/12と、その78分の22の地方消費税 |
| 4,800万円超 | 年11回 | 直前の確定消費税額の1/12と、その78分の22の地方消費税 |
中間申告の提出・納付期限は、各中間申告の対象となる期間の末日の翌日から2か月以内です。中間申告書を期限までに提出しない場合は、提出があったものとみなされ、直前の課税期間の実績で計算した税額が直ちに確定します。
出典:No.6609 中間申告の方法|国税庁(2026年11月5日確認)
払えないとき:換価の猶予と納税の猶予
国税を一時に納付することが困難な場合は、税務署に申請することで、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められる場合があります。猶予が認められると、猶予期間中の延滞税が免除または軽減されます。消費税も対象です。
| 換価の猶予(申請) | 納税の猶予 | |
|---|---|---|
| 主な要件 | 一時に納付すると事業の継続または生活の維持が困難になるおそれがあり、納税について誠実な意思があること。猶予を受ける国税以外に滞納がないこと | 災害・盗難、本人や家族の病気・負傷、事業の廃業・休業、事業についての著しい損失などの事実があり、そのために一時に納付できないこと |
| 申請の期限 | 納付すべき国税の納期限から6か月以内 | 申請書の提出(本来の期限から1年以上たって税額が確定した場合は納期限まで) |
| 猶予期間 | 原則1年以内 | 原則1年以内 |
- 分割納付:猶予期間は、財産や収支の状況に応じて最も早く完納できる期間に限られ、猶予を受けた国税は原則として猶予期間中の各月に分割して納付します。やむを得ない理由があれば、当初の猶予期間とあわせて2年を超えない範囲で延長が認められることがあります。
- 担保:原則として必要ですが、猶予を受ける金額が100万円以下の場合、猶予期間が3か月以内の場合、担保にできる財産がない場合などは不要です。
国税庁は、国税を納期限までに納付できない場合は早めに所轄の税務署の徴収担当に相談するよう案内しています。申請に必要な書類は猶予の申請に持っていくもので整理しています。
出典:No.9206 国税を期限内に納付できないとき|国税庁(2026年11月5日確認)
放置した場合
国税庁は、期限までに納付されない場合は原則として法定納期限の翌日から納付するまでの日数に応じて延滞税が自動的に課され、督促状が送付されてもなお納付されないときは財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があると案内しています。差押えの流れは差押えまでの流れ、税金全般は税金が払えないときを参照してください。
相談先
- 所轄の税務署(徴収担当):猶予の申請、分割納付の相談。
- 資金繰り全体の相談:フリーランス・個人事業主でお金がないときで、国民年金の特例免除や小規模企業共済の契約者貸付をまとめています。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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