障害年金の受給要件と請求の流れ|初診日・保険料納付要件・障害認定日と事後重症
障害年金は、初診日に加入していた制度で障害基礎年金か障害厚生年金かが決まり、保険料納付要件と障害の状態の要件を満たすと受け取れます。障害認定日による請求と事後重症による請求の違い、必要書類を日本年金機構の公式情報(2026年11月5日確認)で整理しました。

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。収入が減ってお金が足りない状態が病気やけがによるものなら、借入を考える前に、受給要件に当たるかを確認する価値があります。本記事では、日本年金機構の公式ページ(いずれも2026年11月5日確認)をもとに、要件と請求の流れを整理します。
障害基礎年金と障害厚生年金:初診日の加入制度で決まる
どちらを請求できるかは、初診日(障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)にどの年金制度に加入していたかで決まります。
| 初診日の状況 | 請求できる年金 | 対象となる障害の程度 |
|---|---|---|
| 国民年金に加入していた/20歳前で年金制度に未加入/60歳以上65歳未満で日本に住み年金制度に未加入 | 障害基礎年金 | 1級・2級 |
| 厚生年金に加入していた | 障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金 | 1級・2級(2級に該当しない軽い程度は3級の障害厚生年金) |
| 厚生年金に加入中の初診日から5年以内に治り、障害厚生年金より軽い障害が残った | 障害手当金(一時金) | - |
出典:障害年金|日本年金機構(2026年11月5日確認)
受給要件:3つすべてを満たす
- 初診日の要件:初診日が上の表のいずれかの期間にあること。
- 障害の状態の要件:障害認定日(次の章)に、障害等級表に定める等級に該当していること。
- 保険料納付要件:初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
3の保険料納付要件には特例があります。初診日が令和18年3月末日までのときは、初診日に65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいとされています。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。
未納と免除は扱いが違います。保険料が払えないまま未納にしていた期間は納付要件を満たさない原因になりますが、免除の承認を受けた期間は「保険料免除期間」として数えられます。保険料が払えない場合の手続きは国民年金保険料の免除と追納を参照してください。
出典:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構(2026年11月5日確認)
障害認定日とは
障害認定日は障害の状態を定める日で、初診日から1年6カ月を過ぎた日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日です。初診日から1年6カ月以内に次の日があるときは、その日が障害認定日になります(主な例)。
- 人工透析療法を行っている場合:透析を初めて受けた日から起算して3カ月を経過した日
- 人工骨頭・人工関節をそう入置換した場合:そう入置換した日
- 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)、人工弁を装着した場合:装着した日
- 人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合:造設・手術の日から起算して6カ月を経過した日
出典:年金用語集「障害認定日」|日本年金機構(2026年11月5日確認)
請求の時期:障害認定日による請求と事後重症による請求
| 請求の方法 | 当てはまる場合 | 年金を受け取れる時期 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 障害認定日による請求 | 障害認定日に障害の状態に該当していた | 障害認定日の翌月分から | 請求書は障害認定日以降いつでも出せますが、さかのぼって受けられるのは時効により5年分が限度です |
| 事後重症による請求 | 障害認定日には該当しなかったが、その後症状が悪化して該当した | 請求日の翌月分から | 請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出が必要です。請求が遅いほど受給開始も遅くなります |
事後重症による請求は請求した日の翌月分からの支給になるため、障害の状態に当たる可能性があると分かった時点で早めに相談することが、受け取れる額を減らさないことにつながります。
請求に必要な主な書類(障害基礎年金の場合)
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 年金請求書(国民年金障害基礎年金)様式第107号 | 市区町村役場、年金事務所、街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあります |
| 医師の診断書(所定の様式) | 障害認定日より3カ月以内の現症のもの。障害認定日と請求日が1年以上離れている場合は、直近(請求日前3カ月以内の現症)の診断書も必要です |
| 受診状況等証明書 | 初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合に、初診日の確認のため |
| 病歴・就労状況等申立書 | 障害の状態を確認するための補足資料 |
| 本人名義の受取先金融機関の通帳等 | 公金受取口座を利用する場合は、通帳等のコピーの添付は不要です |
| 生年月日を明らかにできる書類(戸籍謄本・住民票など) | 単身の方でマイナンバーが登録されている場合などは原則不要です |
18歳到達年度末までの子がいる場合や、障害の原因が交通事故など第三者の行為による場合は、追加の書類があります。
出典:障害基礎年金を受けられるとき|日本年金機構(2026年11月5日確認)
受給が決まった後の国民年金保険料
障害基礎年金または障害厚生年金(1級・2級に限る)を受ける方は、国民年金保険料が免除されます(法定免除)。国民年金第1号被保険者の方は、年金証書が届いたら市区役所・町村役場に相談するよう案内されています。
相談先
- 年金事務所・街角の年金相談センター:初診日の加入制度や納付要件の確認、請求書の受け取り。
- 市区町村役場の国民年金担当:障害基礎年金の請求書の受け取り、保険料の免除の相談。
- 生活費が足りない場合:社会福祉協議会の生活福祉資金や、病気で働けない期間の傷病手当金も確認してください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
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