生活費の不足や、支払い・返済の遅れが生じている状況では、当面の資金の工面に意識が向きがちです。しかし一般に、 早い段階で相談したほうが、選択できる手段は多く残ります。滞納が始まる前であれば支払いの 猶予や分割に応じてもらえる場合があり、返済が困難になり始めた段階であれば、債務整理以外の選択肢が残っている場合もあります。 一方、差押えや強制解約まで進むと、選択できる手段は限られます。
また、資金の工面を急ぐ状況では、手数料の高いサービスや法律に反する手口に関わるおそれが高まります。 公的な窓口の多くは無料で相談でき、制度の利用を強制されることもありません。現状を伝え、 利用できる制度の有無を確認するだけでも、相談には意義があります。
なお、当サイトは情報提供を目的としており、個別の事情に対する法的・金融的な判断は行っておりません。 利用できる制度は、収入・資産・世帯の状況・お住まいの地域などによって異なります。 詳しくは各窓口へご相談ください。
状況別の相談先一覧
| 状況 | 主な相談先 |
|---|---|
| 家賃・光熱費が払えず、生活の維持が困難になっている | 自治体の自立相談支援窓口/社会福祉協議会 |
| 借金の返済が滞り、督促状や裁判所からの書類が届いた | 法テラス/多重債務の相談窓口 |
| 契約・解約や身に覚えのない請求をめぐるトラブルがある | 消費者ホットライン 188 |
| 違法な金利や脅迫的な取立てを受けている | 警察相談専用電話 #9110(危険が差し迫っていれば110番) |
| 勧誘を受けているサービスの安全性を確認したい | 国民生活センターの公表情報/消費者ホットライン 188 |
※ 一般的な目安です。複数の窓口が該当する場合もあります。相談先の判断に迷う場合は、 自治体の自立相談支援窓口または法テラスにご相談いただくと、適切な窓口を案内してもらえます。
公的な相談窓口の一覧
法テラス(日本司法支援センター)
相談できる内容
- 借金・離婚・相続・労働問題など、法的なトラブル全般に関する情報提供
- 問題の内容に応じた相談窓口や制度の案内
- 収入や資産が一定の基準以下の場合に利用できる無料の法律相談(民事法律扶助)
- 弁護士・司法書士に依頼する際の費用の立替制度に関する説明
利用が想定される場面
- 返済が滞り、督促状や裁判所からの書類が届いている場合
- 債務整理を検討しているが、費用の支払いに不安がある場合
- どこに相談すればよいか分からない場合
国が設立した、法的トラブル解決のための総合案内所です。無料相談や立替の利用には収入・資産などの要件があり、内容は変更されることがあります。利用条件の詳細は、法テラスの公式サイトまたは最寄りの窓口でご確認ください。
消費者ホットライン
電話:188
局番なしの188(いやや)にかけると、最寄りの消費生活センター等につながります。
相談できる内容
- 商品やサービスの契約・解約・返金をめぐるトラブルの相談
- 強引な勧誘、説明と異なる契約、身に覚えのない請求などの相談
- クーリング・オフなど、契約に関する制度の情報提供
利用が想定される場面
- 契約後に、説明と条件が異なることが分かった場合や、解約に応じてもらえない場合
- 「手数料は無料」などの説明を受けて申し込んだが、想定外の請求を受けた場合
- SNSやメールで勧誘を受け、そのまま契約した場合
電話をかけると、お住まいの地域の消費生活センターや消費生活相談窓口が案内されます。相談は原則として無料です(通話料はかかります)。受付時間は窓口ごとに異なります。
国民生活センター
相談できる内容
- 全国の消費生活センターに寄せられた相談事例や被害の傾向の公表
- 悪質な手口や新たなトラブルに関する注意喚起
- 商品テストや調査にもとづく消費者向けの情報提供
利用が想定される場面
- 契約を検討しているサービスについて、同種のトラブルの有無を調べる場合
- 受けている勧誘が、既知の手口に該当しないかを確認する場合
- 家族がトラブルに巻き込まれている可能性があり、事例を確認する場合
個別の相談は、消費者ホットライン188からお住まいの地域の窓口につないでもらう方法が一般的です。国民生活センターの公式サイトでは、注意喚起や相談事例が公開されています。
自治体の自立相談支援窓口(生活困窮者自立支援制度)
相談できる内容
- 収入の減少、失業、家賃の滞納など、生活上の困りごと全般の相談
- 本人の状況に合わせた支援プランの作成と、関係機関への同行・紹介
- 住居確保給付金をはじめとする、生活再建のための支援制度の案内
- 就労に向けた準備や家計の改善に関する相談
利用が想定される場面
- 家賃や光熱費が払えず、住まいを失うおそれがある場合
- 失業や収入の減少により生活が困難になり、対応の順序が分からない場合
- 複数の問題が重なり、個別の窓口を一つずつ訪ねることが難しい場合
生活困窮者自立支援制度にもとづく窓口で、全国の自治体(福祉事務所を設置する市区町村・都道府県)に設けられています。名称は「くらし・しごと相談」など地域によって異なります。連絡先は自治体ごとに違うため、お住まいの自治体の窓口へお問い合わせください。相談は無料です。
社会福祉協議会(生活福祉資金貸付制度)
相談できる内容
- 生活福祉資金貸付制度の説明と申込みの相談
- 一時的に生活が困難になった世帯への少額の資金の貸付に関する相談
- 高齢者・障害のある方の世帯、低所得世帯への福祉的な支援の案内
- 地域の福祉サービスや他の支援機関の紹介
利用が想定される場面
- 収入が途絶え、次の給与や給付までの生活費が不足している場合
- 民間の借入ではなく、公的な貸付制度を利用できるかを確認する場合
- 自立相談支援窓口とあわせて、生活再建全体を相談する場合
都道府県社会福祉協議会が実施主体で、申込みの窓口は市区町村社会福祉協議会です。貸付には要件があり、必ず借りられるとは限りません。また、貸付であるため返済の義務があります。対象・金額・条件は制度改正で変わることがあるため、詳しくはお住まいの地域の社会福祉協議会へご確認ください。
警察相談専用電話
電話:#9110
全国共通の警察相談専用電話です。発信地を管轄する警察の相談窓口につながります。
相談できる内容
- 犯罪に該当するか判断できない、生活の安全に関わる困りごとの相談
- ヤミ金融や違法な取立て、脅迫的な言動を受けている場合の相談
- つきまといや嫌がらせなど、身の危険を感じる事案の相談
利用が想定される場面
- 違法な金利や強引な取立てを受けており、対応方法を相談する場合
- 家族や勤務先にまで連絡があり、脅迫を受けていると感じる場合
- 被害届を提出するか判断する前に、相談のみを希望する場合
#9110は緊急でない相談のための番号です。危険が差し迫っている場合や、被害が発生している場合は110番に通報してください。受付時間は都道府県によって異なり、平日の日中を基本としている場合があります。
多重債務の相談窓口(金融庁・日本貸金業協会)
相談できる内容
- 複数の借入れが重なり、返済が困難になっている状態に関する相談
- 返済計画の見直しや、専門家・公的機関の紹介
- 貸金業者とのやり取りで生じた問題に関する相談の受付(日本貸金業協会)
- 多重債務者向けの相談窓口を全国から探すための情報提供(金融庁)
利用が想定される場面
- 借入れが複数あり、返済のための新たな借入れが続いている場合
- 毎月の返済額が収入を圧迫し、生活費を確保できない場合
- 貸金業者の対応に疑問があり、相談先を確認する場合
金融庁は、多重債務に関する相談窓口の案内を行っています。日本貸金業協会は、貸金業者の自主規制機関として相談を受け付ける窓口を設けています。あわせて、都道府県や財務局にも多重債務の相談窓口が置かれています。連絡先や受付時間は各機関の公式サイトでご確認ください。
相談前にご用意いただきたいもの
状況を正確に伝えることで、相談を円滑に進めることができます。すべて揃っていなくても相談は可能ですが、 手元にある資料を整理しておくと、利用できる制度の判断がしやすくなります。
- 毎月の収入が分かる資料(給与明細、通帳の入金記録など)
- 家賃・光熱費・通信費など、毎月の固定的な支出のメモ
- 借入れがある場合は、借入先ごとの残高・毎月の返済額・返済日
- 滞納がある場合は、督促状や請求書、送られてきた通知そのもの
- 世帯の状況(同居している家族、扶養している人の有無など)
督促状や裁判所からの書類を開封しないまま保管している方は少なくありません。 しかし、書類には対応の期限が記載されている場合があり、期限を過ぎると選択できる手段が少なくなることがあります。 内容が分からない場合も、書類をそのまま持参して相談することをおすすめします。
相談時の注意点
公的な窓口での相談は、原則として無料です。相談した場合でも、その場で制度の利用を 決める必要はありません。一方で、「相談に乗る」「必ず借りられる」といった 勧誘を行う民間の業者の中には、手数料を求めたり、別の契約へ誘導したりするものもあります。 費用や見返りを求められた場合は、手続きを進める前に内容を確認することをおすすめします。
受付時間や連絡先は、窓口・地域ごとに異なります。また、制度の内容は改正される場合があります。 このページの内容は2026年9月17日時点で整理した一般的な説明です。最新の条件や手続きは、 各機関の公式情報にてご確認ください。
当サイトでは、支払いが難しい場合の対応や、公的な支援制度の解説記事も掲載しています。 相談の前に全体像を把握する際に、あわせてご参照ください。
