税金が払えないとどうなる?差押えまでの流れと納税の猶予・分割【2026年7月】
税金を滞納すると督促状→差押えへと進みますが、申請により「納税の猶予」「換価の猶予」で分割・延滞税の軽減が受けられる場合があります。国税・地方税の流れと猶予制度を公式情報で解説します。

住民税・所得税・固定資産税などを滞納すると、督促を経て財産の差押えに進みます。ただし、払えないと分かった時点で早めに相談すれば、猶予・分割で対応できる可能性があります。
滞納から差押えまでの流れ
国税では、納期限までに納めないと原則納期限後50日以内に督促状が送られ、督促状発送日から10日を経過しても完納しないと財産の差押えが可能になります(実務では催告書等を経ることが多い)。地方税(住民税・固定資産税)もほぼ同様の仕組みです。出典:国税徴収法(e-Gov)/地方税法(e-Gov)
延滞税(国税・2026年)は、納期限翌日から2か月以内が年2.8%、2か月経過後は年9.1%です(地方税の延滞金率は税目・自治体条例により異なります)。出典:延滞税の割合(国税庁)
納税の猶予・換価の猶予(分割・延滞税の軽減)
- 納税の猶予:災害・病気・事業の休廃止・著しい損失などで一時に納付が難しいとき、申請で原則1年以内(最長2年)猶予・分割納付でき、延滞税が軽減・免除されます。
- 換価の猶予:納税に誠実な意思があり、一時に納めると事業継続・生活維持が困難な場合、納期限から6か月以内の申請で原則1年以内(最長2年)猶予・分割でき、延滞税が原則2分の1免除されます。
申請先は所轄の税務署(国税)、市区町村の納税課・収納課(地方税)です。出典:納税の猶予(国税庁)/徴収猶予・換価の猶予(東京都主税局)
差押えを避けるカギは早めの相談です。滞納を放置せず、払えないと分かった時点で税務署・自治体の納税窓口に相談すれば、猶予・分割に応じてもらえる可能性が高まります。
まず相談したい公的な窓口
- 自立相談支援機関:家計・仕事・住まいの総合相談窓口(生活困窮者自立支援制度)。厚生労働省
- 消費者ホットライン「188」:契約トラブル等は局番なしの188へ。消費者庁
- 法テラス:借金・法的トラブルの無料相談・費用立替。日本司法支援センター
- 公的な貸付・給付:あわせて急にお金が必要なとき国・自治体から借りる・もらう方法もご覧ください。
納税窓口への相談の仕方(何を伝え、何を用意するか)
相談先は、国税(所得税など)は所轄の税務署、地方税(住民税・固定資産税など)は市区町村の納税課・収納課です。「払えない」という相談は納税窓口にとって日常的なもので、連絡をためらう必要はありません。電話でも窓口でも、伝えることは共通しています。
- 滞納している税目と通知:手元の納付書・督促状を見ながら、どの税をいつから滞納しているか。
- 払えない事情:失業・収入減・病気・事業不振など、概要で構いません。
- 収入と家計の状況:猶予・分割の検討には生活状況の把握が必要になるため、聞かれたら答えられるように準備しておきます。
- 現実的な納付計画:毎月どの程度なら納められそうか、無理のない範囲の見通し。守れない計画を約束しないことが大切です。
求められる書類は窓口・制度により異なりますが、届いている通知書、収入が分かるもの、家計の分かるメモがあると話が早く進みます。本文で解説した猶予制度には申請期限のあるものも含まれるため、「払えないと分かった時点」での相談が肝心です。相談した日付・担当部署・合意内容はメモに残しておきましょう。
届いた書類の段階別・とるべき対応
- 納付書の期限を過ぎた段階:まだ最も選択肢が多い段階です。放置せず、納税窓口に電話して猶予・分割の相談を始めます。
- 督促状が届いた段階:本文の通り、法律上は差押えが可能になる段階へ進みつつあります。実務では催告を経ることが多いものの、時間の猶予は確実に減っています。「まだ大丈夫」と思わず、すぐ連絡してください。
- 催告書・差押予告が届いた段階:差押えが目前の段階です。書面の連絡先へ即日電話し、窓口での相談日時を確保しましょう。
- 差押えが行われた後:解除できるか、生活維持のためにどんな調整が可能かは個別事情によります。窓口への相談を続けるとともに、法テラス等で専門家にも相談してください。
なお、税金や公的機関をかたって「未納がある」と請求してくる不審な電話・メールも存在します。届いた連絡の真偽が分からないときは、記載の連絡先ではなく、納付書に書かれた正規の窓口へかけ直して確認しましょう。
給与が差し押さえられると勤務先に通知が行くため、職場に事情を知られることになります。預金の差押えでは口座の残高から回収されます。こうした事態を避ける最善策が「差押え前の相談」です。
状況別の対処と優先順位
- 一時的に払えないだけ:納付できる時期を示して相談すれば、短期の調整で済む可能性があります。
- 収入減・事業不振が続いている:本文の「納税の猶予」「換価の猶予」の検討場面です。要件に当たるかは窓口で確認してください。
- 複数の税目・複数年分を滞納している:国税は税務署、地方税は自治体と窓口が分かれます。それぞれに全体像を正直に伝え、優先順位ごと相談するのが結局は近道です。滞納の一部だけを隠して相談すると、後で計画が崩れます。
- 会社員で住民税を自分で納めている:納付書払い(普通徴収)の人は納め忘れが起きやすい形です。今後の納め方について変更が可能かどうかも、自治体の窓口で確認できます。
- 生活自体が困窮している:納税相談と並行して、自立相談支援機関や公的な貸付・給付の確認を。生活の維持が最優先です。
税金のために借金・現金化をしない
税金には本文で解説した公的な猶予・分割の仕組みがあり、適用されれば延滞税・延滞金が軽減される場合もあります。にもかかわらず、クレジットカード現金化・給与ファクタリング・ヤミ金といった、金融庁・消費者庁が注意喚起する手段で現金を作って納税するのは、公的な救済を使えるはずの債務を、より条件の悪い借金に置き換えるだけの行為です。また、差押えを恐れて財産を隠したり名義を移したりする行為は、より重い法的問題に発展するおそれがあるため絶対に避けてください。
よくある質問
自己破産すれば税金も消えますか?
税金は自己破産をしても原則として免除されない債権として扱われるとされています。借金を整理しても税金は残るため、だからこそ猶予・分割の相談という正面からの対処が現実的です。個別のケースは法テラス等で専門家に確認してください。
放っておけば時効で消えませんか?
督促や差押えなどの手続きによって時効の完成は妨げられる仕組みになっており、「逃げ切り」は現実的ではありません。待つ間にも延滞税・延滞金は増えていくため、期待して放置するより相談したほうが確実に負担は軽くなります。
延滞税・延滞金だけでも免除してもらえませんか?
本文の猶予制度が適用されると、延滞税・延滞金が軽減・免除される場合があります。適用の可否は要件・個別判断によるため、窓口で相談してください。
相談すれば必ず分割にしてもらえますか?
猶予・分割には要件と審査があり、必ず認められるわけではありません。ただし、納める意思を示して相談している人と、連絡を絶って放置している人とでは、その後の対応が変わり得ます。認められなかった場合も、家計の状況を踏まえた別の相談先(自立相談支援機関・法テラス)につなぐことができます。
差し押さえられたら生活できなくなりませんか?
生活の維持に配慮する仕組みは設けられていますが、その範囲は法令と個別事情によります。生活への影響を最小限にする最も確実な方法は、差押えに至る前に相談することです。不安な段階でこそ窓口を頼ってください。
まとめ
税金の滞納は最終的に差押えに至りますが、納税の猶予・換価の猶予という公的な救済があります。延滞税・延滞金が膨らむ前に、早めに納税窓口へ相談しましょう。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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