離婚直後にお金がないときの手続き|児童扶養手当は請求の翌月分から、年金分割は5年以内
離婚直後にお金がないときは、まず児童扶養手当の請求を急ぎます。支給は請求した月の翌月分からで、さかのぼりません。ひとり親向けの公的貸付、2026年4月以降の離婚で5年に延びた年金分割の期限も、法令・こども家庭庁・日本年金機構の公式情報(2026年11月5日確認)で整理しました。

離婚の直後は、収入が1人分になる一方で、転居や手続きの費用が重なりやすい時期です。公的な制度には請求した時点から支給が始まるものや請求の期限があるものがあり、手続きの順番で受け取れる額が変わります。本記事では、児童扶養手当法(e-Gov法令検索)、こども家庭庁、日本年金機構、千葉県の公開情報(いずれも2026年11月5日確認)をもとに、離婚後に優先して行う手続きを整理します。
手続きの優先順位
| 順番 | 手続き | 急ぐ理由 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 1 | 児童扶養手当の認定請求(子どもを監護している場合) | 請求した月の翌月分から支給され、請求前の分はさかのぼらないため | 市区町村の担当課 |
| 2 | ひとり親向けの公的貸付の相談(必要な場合) | 申請から貸付まで2〜3か月かかることがあるため(千葉県の例) | 市区町村のひとり親家庭福祉担当課 |
| 3 | 年金分割の請求(婚姻期間中に厚生年金の記録がある場合) | 原則として離婚の翌日から5年(2026年4月1日前の離婚は2年)を過ぎると請求できないため | 年金事務所 |
1. 児童扶養手当:請求が月をまたぐと1か月分遅れる
児童扶養手当法7条1項は、手当の支給は認定の請求をした日の属する月の翌月から始めると定めています。離婚した月のうちに請求すれば翌月分から支給されますが、請求が翌月にずれると、支給の始まりも1か月遅くなります。災害などやむを得ない理由で請求できなかった場合は、理由がやんだ後15日以内に請求すれば、請求できなくなった日の属する月の翌月から支給されます(同条2項)。
- 対象:父母が婚姻を解消した児童などを監護している母・父など。児童は18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(障害児は20歳未満)です。
- 支払:毎年1月・3月・5月・7月・9月・11月の6回に、それぞれの前月までの分が支払われます(同条3項)。請求した翌月分は、その後に来る支払月にまとめて支払われます。
- 所得制限:前年の所得にもとづく所得制限があり、全部支給・一部支給・支給なしに分かれます。
- 実施主体:都道府県・市・福祉事務所設置町村です。請求の窓口は、住んでいる市区町村で確認できます。
児童手当との違いは児童手当と児童扶養手当の違いで解説しています。
出典:児童扶養手当法7条(e-Gov法令検索)/児童扶養手当について|こども家庭庁(2026年11月5日確認)
2. 当面の生活費や転居費用:母子父子寡婦福祉資金
ひとり親家庭向けの公的貸付である母子父子寡婦福祉資金には、転居の際の住宅の賃借に必要な転宅資金や、母子家庭・父子家庭になって7年未満の間の生活費に使える生活資金があります。千葉県の案内では、保証人ありで無利子、保証人なしで年1.0%で、申請から貸付の決定・支払までおおむね2〜3か月程度かかります。詳しくは母子父子寡婦福祉資金貸付金の種類と利子を参照してください。
出典:母子・父子・寡婦福祉資金の貸付け|千葉県(2026年11月5日確認)
3. 年金分割:期限は離婚の翌日から5年(2026年4月1日前の離婚は2年)
離婚時の年金分割は、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割する制度で、2種類あります。
| 制度 | 対象 | 合意の要否 |
|---|---|---|
| 合意分割 | 婚姻期間中の厚生年金記録 | 当事者の合意または裁判手続きで按分割合を定めます。合意がまとまらない場合は、一方の求めにより裁判所が按分割合を定めることができます |
| 3号分割 | 2008年(平成20年)4月1日以後の婚姻期間中の、国民年金第3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(2分の1ずつ分割) | 不要(第3号被保険者だった方が請求します) |
請求期限は、原則として離婚等をした日の翌日から起算して5年以内です。ただし、2026年(令和8年)4月1日前に離婚等をした場合は2年以内のままです。期限までに審判や調停を申し立て、期限の経過後または期限前6カ月以内に審判の確定・調停の成立などがあった場合は、その日の翌日から6カ月以内に限り請求できます。按分割合を決めた後、分割の手続き前に当事者の一方が亡くなった場合は、死亡日から1カ月以内に限り請求が認められます。
年金分割は将来の年金額にかかわる手続きで、離婚直後の生活費になるものではありません。ただし期限を過ぎると請求できなくなるため、離婚の時期と期限を確認しておくことが大切です。様式は日本年金機構のサイトと年金事務所・街角の年金相談センターにあります。
出典:離婚時の年金分割|日本年金機構(2026年11月5日確認)
養育費について
養育費の取り決めや、受け取れなくなったときの手続きは、法テラスや養育費・親子交流相談支援センターで相談できます。支払う側の手続きは養育費が払えなくなったらで整理しています。
相談先
- 市区町村のひとり親家庭の担当課(母子・父子自立支援員):児童扶養手当、母子父子寡婦福祉資金、そのほかの自治体独自の支援。
- 年金事務所:年金分割の情報提供請求と分割請求。
- 法テラス:養育費・財産分与など離婚にともなう法律相談。法テラス・サポートダイヤル 0570-078374。日本司法支援センター(法テラス)
生活費全体が足りない場合はひとり親でお金がないときに使える制度・相談先もあわせて確認してください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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