児童手当と児童扶養手当の違いとは?対象・手続きをわかりやすく整理
児童手当は子育て世帯全般、児童扶養手当はひとり親家庭などが対象の別制度です。両者の目的・対象・所得制限・申請窓口の違いと手続きの流れ、併給の可否をわかりやすく整理します。

「児童手当」と「児童扶養手当」は名前がよく似ているため、同じ制度だと思われがちですが、目的も対象も手続きもまったく別の制度です。児童手当は子育て世帯を広く支える手当、児童扶養手当はひとり親家庭などの生活の安定を支える手当です。この記事では、両者の違いを整理したうえで、それぞれの対象・手続き・注意点を解説します。
児童手当と児童扶養手当は「別の制度」です
まず、2つの手当の違いを一覧で整理します。細かい要件や金額は制度改正や世帯の状況によって変わるため、ここでは枠組みの違いをつかんでください。
| 項目 | 児童手当 | 児童扶養手当 |
|---|---|---|
| 目的 | 子育て世帯全体の生活の安定と子どもの健やかな成長を支える | ひとり親家庭などの生活の安定と自立を支える |
| 主な対象 | 子どもを養育している世帯全般 | 離婚・死別などで父または母と生計を同じくしていない子どもを育てる家庭など |
| 所得制限 | 制度改正により撤廃(改正後の取り扱いは自治体の案内で確認) | あり(所得に応じて全部支給・一部支給の区分がある) |
| 申請窓口 | 市区町村の子育て支援担当課(公務員は勤務先) | 市区町村の子育て支援担当課 |
| 両立 | 要件を満たせば両方を受給できる(併給可能) | |
ポイントは、児童手当は「子どもがいる世帯なら広く対象」、児童扶養手当は「ひとり親家庭など特定の状況にある世帯が対象」という点です。ひとり親家庭であれば、児童手当と児童扶養手当の両方を受給できる場合があります。
児童手当の基本|対象と手続き
対象となる子ども
児童手当は、国内に住所がある子どもを養育している人に支給されます。近年の制度改正で、支給対象となる子どもの年齢が高校生年代まで拡大され、所得制限も撤廃されました。また、多子世帯への加算の仕組みも見直されています。支給額や加算の詳細は年度や世帯構成によって異なるため、お住まいの市区町村の案内で最新の内容を確認してください。
申請の手続き(認定請求)
児童手当は、申請(認定請求)をしないと受け取れません。出生や転入で対象になったときは、市区町村の子育て支援担当窓口に認定請求書を提出します。手続きの主な流れは次のとおりです。
- 出生届・転入届を提出する
- あわせて児童手当の認定請求書を提出する(請求者は原則として所得の高いほうの親など、生計の中心となる養育者です)
- 審査ののち、認定されると指定口座に振り込まれる
申請が遅れると、原則としてさかのぼって受給できません。出生や転入のあとには申請期限の特例(いわゆる15日特例)が設けられていますが、期限の数え方は窓口で必ず確認し、できるだけ出生届・転入届と同じタイミングで手続きしてしまうのが安全です。なお、公務員の場合は勤務先での手続きになります。
児童扶養手当の基本|対象と手続き
対象となる家庭
児童扶養手当は、次のような状況で子どもを育てている家庭が対象です。
- 父母が離婚した後、父または母と生計を同じくしていない子どもを育てている
- 父または母が死亡した、または一定の障害の状態にある
- 父または母から一定期間遺棄されている、裁判所からのDV保護命令を受けたなどの事情がある
- 婚姻によらないで生まれた子どもを育てている
対象となる子どもの年齢には上限があり、原則として18歳に達する日以後最初の年度末までの子ども(一定の障害がある場合は上限が異なります)が対象です。また、本人や同居する扶養義務者の所得に応じて、全部支給・一部支給・支給停止という区分があります。所得の判定基準は世帯の状況によって変わるため、自分の世帯がどの区分に当たるかは市区町村の窓口で確認してください。
認定請求と現況届
児童扶養手当も申請(認定請求)が必要です。戸籍謄本など離婚や死別の事実を確認できる書類が求められるため、必要書類は事前に窓口へ問い合わせておくとスムーズです。また、受給を続けるには毎年決まった時期に現況届を提出する必要があります。提出を忘れると支給が止まることがあるので、市区町村からの案内は必ず確認しましょう。
よくある疑問|併給・年金・離婚前の扱い
- 児童手当と児童扶養手当は両方もらえますか?——別の制度なので、それぞれの要件を満たせば併給できます。児童扶養手当を申請するときに、児童手当の手続きが済んでいるかもあわせて確認しましょう。
- 遺族年金などの公的年金を受け取っている場合は?——児童扶養手当には公的年金等との併給調整の仕組みがあり、年金額によって手当の扱いが変わります。判断が難しい部分なので、年金の受給状況を伝えたうえで市区町村の窓口に確認してください。
- 離婚協議中でも児童扶養手当は申請できますか?——原則は離婚成立後の制度ですが、遺棄やDV保護命令など個別の事情によって扱いが異なる場合があります。事情を隠さず窓口に相談しましょう。
- 養育費を受け取っていると影響しますか?——児童扶養手当の所得判定では、受け取った養育費の一定割合を所得に含めて計算する仕組みがあります。申告内容に関わるため、窓口で正確に確認してください。
手続きで気をつけたいポイント
どちらの手当も「申請しなければ受け取れない」「原則さかのぼれない」のが共通の注意点です。対象になったかもしれないと思った時点で、まず市区町村の子育て支援担当課に問い合わせるのが確実です。
- 引っ越しをしたときは、転入先の市区町村で改めて手続きが必要です。
- ひとり親家庭には、児童扶養手当のほかにも医療費助成や就学援助など複数の支援があります。学校関係の費用は就学援助制度の記事もあわせて確認してください。
- 国民健康保険料や国民年金保険料の負担が重い場合は、国保の減免・猶予や年金の免除・納付猶予という別の制度もあります。
- 手当の判定に関わる所得や世帯の状況は人によって異なります。ウェブの情報だけで「対象外」と自己判断せず、必ず窓口で確認しましょう。
受給中に状況が変わったときの届出
受給を始めた後も、届出が必要になる場面があります。児童扶養手当では、婚姻(事実婚を含む)や同居する家族構成の変化、所得の増減などがあった場合に届出が必要で、届出をしないまま受給を続けると、後から手当の返還を求められることがあります。児童手当でも、振込口座の変更や子どもと別居することになった場合などには手続きが必要です。「これは届出がいるのだろうか」と迷ったら、放置せずその都度窓口に確認するのが安全です。
また、毎年の現況届や更新の案内は、提出期限を過ぎると支給が一時止まることがあります。市区町村から届く封書は後回しにせず、期限をカレンダーに控えておきましょう。窓口に行く時間が取れない場合は、郵送や電子申請に対応しているかを電話で確認すると、手続きの負担を減らせます。
まとめ
児童手当は子育て世帯を広く支える手当、児童扶養手当はひとり親家庭などを支える手当で、まったく別の制度です。どちらも申請しないと受け取れず、原則さかのぼれません。要件を満たせば併給もできるため、対象になり得る状況になったら、早めに市区町村の子育て支援担当課へ相談してください。金額や所得基準は年度・世帯によって変わるので、最新の内容は必ず自治体の案内で確認しましょう。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報を確認し、確認日を明記します
- 確認できない情報は「確認できず」と正直に記載し、憶測で断定しません
- 特定サービスの利用をあおらず、リスクと公的な相談先を必ず併記します


