母子父子寡婦福祉資金貸付金とは|12種類の資金と利子、保証人の有無、申請から貸付まで
母子父子寡婦福祉資金は、ひとり親家庭と寡婦の方が使える都道府県などの公的貸付です。資金は12種類で、修学資金などは無利子、そのほかは保証人ありで無利子・なしで年1.0%(千葉県の例)。対象、申請の窓口、貸付までの期間、延滞時の違約金を整理しました(2026年11月5日確認)。

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、母子及び父子並びに寡婦福祉法にもとづき、都道府県などが、ひとり親家庭の親・子や寡婦の方に、生活や子どもの進学に必要な資金を貸し付ける制度です(母子福祉資金は同法13条、寡婦福祉資金は同法32条)。銀行や消費者金融の借入と違い、資金の使い道ごとに限度額・利子・返済の据置期間が決まっています。
本記事では、条文(e-Gov法令検索)と千葉県の制度案内(いずれも2026年11月5日確認)をもとに、資金の種類、利子、申請の流れを整理します。限度額や運用の細部は、都道府県・市によって異なることがあります。ひとり親家庭で使える制度全体はひとり親でお金がないときに使える制度・相談先にまとめています。
借りられる方
| 資金 | 主な対象(千葉県の案内) |
|---|---|
| 母子福祉資金 | 配偶者のない女子で児童(ここでは20歳未満)を扶養している方(母子家庭の母)、その方に扶養されている児童、父母のない児童など |
| 父子福祉資金 | 配偶者のない男子で児童を扶養している方(父子家庭の父)、その方に扶養されている児童など |
| 寡婦福祉資金 | かつて母子家庭の母であった配偶者のない女子(寡婦)、40歳以上の配偶者のない女子など。扶養している子がない場合などは所得制限があります |
修学資金・修業資金・就職支度資金・就学支度資金は、父母のない児童も、法定代理人の同意を得て児童本人が借受者になることができます。
12種類の資金と利子
千葉県の案内では、資金は用途により12種類に分かれ、限度額・利率・償還期間は母子・父子・寡婦福祉資金で共通です。利子は次のとおりです。
| 資金 | 使い道 | 利子(千葉県の案内) |
|---|---|---|
| 修学資金 | 高校・高専・短大・大学・大学院・専修学校の授業料、書籍代、交通費など | 無利子 |
| 就学支度資金 | 入学時の被服等の購入、大学等の受験料など | 無利子 |
| 修業資金 | 事業を開始し、または就職するために必要な知識技能の習得 | 無利子 |
| 事業開始資金・事業継続資金 | 事業の設備・什器の購入、継続のための商品・材料の購入 | 保証人ありは無利子、なしは年1.0% |
| 技能習得資金 | 自ら事業を開始し、または会社等に就職するために必要な知識技能の習得(例:訪問介護員、パソコン、栄養士) | 同上 |
| 就職支度資金 | 就職に直接必要な被服・履物、通勤用自動車など | 同上 |
| 医療介護資金 | 1年以内の見込みの医療・介護を受けるための資金 | 同上 |
| 生活資金 | 技能習得中・医療介護中・失業中などの生活費 | 同上 |
| 住宅資金・転宅資金 | 住宅の建設・購入・補修、転居の際の住宅の賃借 | 同上 |
| 結婚資金 | 扶養する児童などの婚姻に必要な資金 | 同上 |
修学資金・就学支度資金・修業資金は、親に貸し付ける場合は児童を連帯借受人とし(連帯保証人は不要)、児童に貸し付ける場合は親などを連帯保証人とします。
生活資金を借りられる期間
- 知識技能を習得している間
- 医療または介護を受けている間
- 母子家庭または父子家庭になって7年未満の間
- 失業している期間のうち、離職の日から1年を超えない範囲
- 児童扶養手当を受給する水準まで収入が減少した場合(児童扶養手当を受給している方は除く)
出典:母子・父子・寡婦福祉資金の貸付け|千葉県/母子及び父子並びに寡婦福祉法13条・32条(e-Gov法令検索)(2026年11月5日確認)
申請から貸付までの流れ
- 市町村のひとり親家庭福祉担当課に相談する:資金の種類によって必要書類が異なるため、窓口で案内を受けます。家計の状況を含め、家庭の事情全般を聞かれます。
- 申請・審査:貸付の可否は審査で決まります。事業計画が適切でないなど、ひとり親家庭の生活向上につながらないと認められる場合は借りられないことがあります。
- 貸付の決定・償還計画の作成:決定と同時に償還(返済)計画を作ります。
- 貸付・据置期間・償還:据置期間が過ぎた後、償還期間中に分割で返済します。繰り上げ・一括の返済もできます。
千葉県は、申請から貸付の決定・支払までおおむね2〜3か月程度かかるとしています。入学金や転居費用など支払時期が決まっている費用に使う場合は、早めに相談する必要があります。
借りる前に確認しておくこと
- 返済の義務:修学資金などは、借受者の親だけでなく、その資金で進学・就職する子も連帯借受者として返済の義務を負います。
- 奨学金との併用:日本学生支援機構や大学の奨学金・減免を受けている場合、修学資金は奨学金の月額との差額が限度になります。
- 修学支援新制度との関係:修学資金・就学支度資金を利用している方が高等教育の修学支援新制度の支援を受けることになったときは、支援額に相当する額の償還を求められる場合があります。
- 延滞したとき:正当な理由なく償還計画を守らず返済を怠ると、償還金のほかに違約金(年3%)が発生します(千葉県の案内)。
授業料そのものが払えない場合は、大学・専門学校の授業料が払えないときで修学支援新制度や学校の延納・分納を先に確認してください。
相談先
- お住まいの市区町村のひとり親家庭福祉担当課(母子・父子自立支援員):申請前の相談と申請手続き。
- 償還中の住所変更・返済方法の相談:千葉県では管轄の健康福祉センターが窓口です。ほかの都道府県・市では窓口が異なるため、貸付を受けた自治体に確認してください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は、公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報で確認し、確認日を記載しています
- 確認できなかった情報は「確認できず」と記載し、推測による断定は行いません
- 特定のサービスの利用を勧めることはせず、リスクと公的な相談先をあわせて掲載しています
