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借金の相談窓口はどこが違うのか|弁護士・司法書士・法テラス・公的窓口の権限と費用

相談先ごとに、法律で決まっている「できることの範囲」が違います。司法書士の140万円という線がどの条文から来るのか、法テラスの資力基準と立替基準額はいくらか、無料で当たれる窓口はどこか。公開されている数値だけを一覧に並べ、根拠の条文とページを添えました。

借金の相談窓口はどこが違うのか|弁護士・司法書士・法テラス・公的窓口の権限と費用

借金の相談先は一つではありません。しかも、それぞれでできることの範囲が法律で違い、費用の決まり方も違い、そもそもの入口が違います。どこが向いているかは事情によって変わりますが、「どこに行くと何ができるのか」は公開情報で調べられます。この記事は、その部分だけを並べて比べるためのものです。どの窓口を選ぶべきかという助言はしません。

まず一覧で

窓口できることの範囲費用入口
弁護士代理できる範囲に金額の制限はない自由。弁護士会の法律相談センターの相談料は地域・内容により異なるが5,500円前後と案内ひまわりお悩み110番 0570-783-110/全国約300か所の法律相談センター
認定を受けた司法書士簡易裁判所における一定の手続の代理、および裁判外の和解の代理等。対象は「裁判所法33条1項1号に定める額」=140万円を超えないもの自由司法書士総合相談センター(全国約150か所)
法テラス情報提供のほか、資力基準を満たす場合の無料法律相談と、弁護士・司法書士費用等の立替え無料法律相談は0円(1回30分・同一問題につき3回まで)。立替えは分割払いで利息等なしサポートダイヤル 0570-078374(平日9〜21時、土曜9〜17時)
日本クレジットカウンセリング協会クレジットやローンの借金に関する相談、任意整理と家計管理の改善公益財団法人であり相談料は無料と案内多重債務ほっとライン 0570-031640
消費生活センター契約や取引についてのトラブルの相談相談は無料(通話料は自己負担)消費者ホットライン 188
財務局・自治体の多重債務相談窓口多重債務についての相談。金融庁が全国の財務局の窓口一覧を掲載記載なし金融庁「相談・情報提供窓口」から一覧を確認

出典は以下の各節に記載します。

弁護士と司法書士は、どこで線が引かれているか

ここが、この一覧でいちばん誤解されやすい部分です。司法書士法3条1項は司法書士の業務を列挙しており、6号は「簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること」として、民事訴訟法の規定による手続などのうち「訴訟の目的の価額が裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの」を対象としています。7号は、民事に関する紛争であって「紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの」について、相談に応じ、または仲裁事件の手続もしくは裁判外の和解について代理することを挙げています。出典:司法書士法 第3条(e-Gov法令検索)(2026年9月28日確認)

その「裁判所法33条1項1号に定める額」は、裁判所法33条1項1号に「訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)」と書かれています。よく言われる140万円は、この号の金額です。出典:裁判所法 第33条(e-Gov法令検索)(2026年9月28日確認)

さらに、この6号から8号の業務(簡裁訴訟代理等関係業務)は、司法書士なら誰でも行えるわけではありません。同条2項が、法務省令で定める法人が実施し法務大臣が指定する研修の課程を修了した者であること、その者の申請にもとづき法務大臣が必要な能力を有すると認定した者であること、司法書士会の会員であることのいずれにも該当する司法書士に限ると定めています。「認定司法書士」と呼ばれるのはこの要件を満たす人です。

なお、この140万円が何の額を指すのかは条文上「訴訟の目的の価額」「紛争の目的の価額」とだけ書かれています。債務の総額で見るのか個々の債権額で見るのかといった解釈は、条文の文言からは一義的に読み取れないため、この記事では踏み込みません。依頼を検討している窓口に直接お尋ねください。

法テラスは「窓口」であり「制度」でもある

法テラスには、性質の異なるものが同居しています。整理すると三つです。

  1. サポートダイヤル(0570-078374)。専門オペレーターが、問合せ内容に応じて法制度や相談機関・団体を紹介します。受付は平日9時〜21時、土曜9時〜17時(祝日・年末年始を除く)。利用料は0円で通話料は自己負担。「オペレーターは個別の法律相談や法的判断を行うことはできません」と明記されています。出典:お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)(2026年9月28日確認)
  2. 無料法律相談。相談時間は1回30分、同一の問題につき3回まで無料、原則として事前予約が必要とされています。対象は収入と資産が一定基準以下の方です。出典:無料法律相談のご利用の流れ(法テラス)(2026年9月28日確認)
  3. 弁護士・司法書士費用等の立替え。「収入や資産が一定基準以下であること」「勝訴の見込みがないとはいえないこと」「民事法律扶助の趣旨に適すること」の3条件を満たす方が対象で、立て替えた費用は分割払い、利息等はないとされています。出典:弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ(法テラス)(2026年9月28日確認)

資力の基準(法テラスの公表値)

同一世帯の人数収入基準(東京都特別区・大阪市などの地域)収入基準(上記以外の地域)資産基準(共通)
1人200,200円182,000円180万円以下
2人276,100円251,000円250万円以下
3人299,200円272,000円270万円以下
4人328,900円299,000円300万円以下

収入は手取りの平均月収(賞与も含む)、資産は現金・預貯金等で見るとされています。同居の家族が1名増えるごとに、東京や大阪などの地域は33,000円、それ以外の地域は30,000円を加算します。家賃・住宅ローンを負担している場合は、次の限度額まで収入から控除できるとされています。

人数家賃・住宅ローンの控除限度額東京都特別区にお住まいの場合
1人41,000円53,000円
2人53,000円68,000円
3人66,000円85,000円
4人71,000円92,000円

出典:立替制度のご利用の条件(法テラス)(2026年9月28日確認)/無料法律相談のご利用の流れ(法テラス)(2026年9月28日確認) 表の額を上回る収入や資産があっても、家賃・住宅ローン、医療費や教育費等のやむを得ない事情がある場合には基準を満たす可能性がある、と案内されています。

立替えの基準額(法テラスが公表しているもの)

手続債権者数着手金実費合計
任意整理1社33,000円10,000円43,000円
任意整理5社110,000円25,000円135,000円
任意整理6〜10社154,000円25,000円179,000円
任意整理21社以上198,000円35,000円233,000円
自己破産1〜10社132,000円23,000円155,000円
自己破産11〜20社154,000円23,000円177,000円
自己破産21社以上187,000円23,000円210,000円

出典:任意整理 費用の目安(法テラス)(2026年9月28日確認)/自己破産 費用の目安(法テラス)(2026年9月28日確認) いずれも「実際の費用は事件の内容等により審査によって決まります。必ずこの金額になるとは限りません」と注記されています。個人再生についての費用の目安は、法テラスの当該ページ群に掲載が見当たらず、確認できなかったため記載していません。

無料で最初の一歩を置ける窓口

公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会は「多重債務ほっとライン」0570-031640 を設けており、「当協会は公益財団法人ですので、ご相談料金など全て無料です」と案内しています。クレジットやローンの借金返済、多重債務の解決、任意整理と家計管理の改善が挙げられています。受付時間はトップページでは確認できませんでした。出典:公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(2026年9月28日確認)

契約や取引をめぐるトラブルであれば消費者ホットライン「188」が入口です。出典:消費者ホットライン(消費者庁)(2026年9月28日確認)

金融庁は、多重債務についての相談先として法テラス・日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会・日本貸金業協会・日本クレジットカウンセリング協会・全国銀行協会を案内し、全国の財務局の多重債務相談窓口の一覧も掲載しています。自治体の窓口については、各自治体が個別に設けているため、全国を横断する公式な一覧を確認できませんでした。お住まいの市区町村の消費生活センターまたは生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関が入口になります。出典:相談・情報提供窓口(金融庁)(2026年9月28日確認)

どの窓口でも共通して聞かれること

日本弁護士連合会の会規「債務整理事件処理の規律を定める規程」3条1項は、弁護士が債務整理事件を受任するにあたって面談で聴取しなければならない事項として、①債務の内容、②債務者(生計を同じくする家族があるときはその家族を含む)の資産・収入・生活費その他の生活状況、③不動産を所有している場合はその処理に関する希望、④事件処理に関する意向を挙げています。出典:債務整理事件処理の規律を定める規程 第3条(日本弁護士連合会・会規第93号)(2026年9月28日確認)

窓口が違っても、この四つを説明できるようにしておくと話が早く進みます。具体的には、借入先ごとの残高がわかるもの、直近の収入がわかるもの、毎月の固定費が書き出されたメモ。法テラスは相談準備について、裁判所や事件の相手方から届いた書類を用意すること、相談内容を整理した手控えメモがあると便利であることを案内しています。出典:無料法律相談のご利用の流れ(法テラス)(2026年9月28日確認)

相場については書いていません

弁護士・司法書士の費用は自由化されており、公的機関が示す一般的な相場を確認できませんでした。この記事に金額として載せたのは、日本弁護士連合会が公表している弁護士会の法律相談センターの相談料の目安、および法テラスが公表している立替えの基準額だけです。実際の見積りは、依頼を検討している事務所に直接お尋ねください。

連絡先のまとめ

上で比べた窓口の連絡先を、あらためて一か所に並べます。

  • 弁護士(弁護士会の法律相談センター):「ひまわりお悩み110番」0570-783-110 にかけると、その地域に近い弁護士会の法律相談センターにつながります。全国約300か所で法律相談が行われており、相談時間はおおむね30分、相談料は地域や相談内容により異なるものの5,500円前後と案内されています(受付時間の記載はありません)。出典:ひまわりお悩み110番(日本弁護士連合会)(2026年9月28日確認)
  • 司法書士(司法書士総合相談センター):全国約150か所で、借金問題を含む相談を受け付けていると案内されています。出典:司法書士総合相談センター一覧(日本司法書士会連合会)(2026年9月28日確認)
  • 法テラス:サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時。祝日・年末年始を除く)。資力の基準を満たす場合、弁護士・司法書士による無料法律相談を1回30分・同一の問題につき3回まで利用できます。出典:法テラス・サポートダイヤル(2026年9月28日確認)/無料法律相談のご利用の流れ(法テラス)(2026年9月28日確認) 当サイトの法テラスの使い方ガイドもあわせてどうぞ。
  • 日本クレジットカウンセリング協会:多重債務ほっとライン 0570-031640。公益財団法人であり、相談料は無料と案内されています。出典:公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(2026年9月28日確認)
  • 消費生活センター:消費者ホットライン「188」。契約や取引についてのトラブルの窓口です。出典:消費者ホットライン(消費者庁)(2026年9月28日確認)
  • 財務局など:金融庁は、多重債務についての相談先として法テラス・日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会・日本貸金業協会・日本クレジットカウンセリング協会・全国銀行協会を案内し、全国の財務局の多重債務相談窓口の一覧も掲載しています。出典:相談・情報提供窓口(金融庁)(2026年9月28日確認)

どこから当たればよいか決められないときは、当サイトの相談先ディレクトリに窓口を用途別にまとめています。

次に読むなら

本記事は、法令と公的機関が公開している情報にもとづいて制度の一般的な仕組みを整理したものであり、法的な助言ではありません。どの手続が使えるか、いくらになるか、どれくらいかかるかは事案によって異なり、裁判所や各窓口の運用によっても変わります。個別の判断は、本文および末尾に挙げた相談先でご確認ください。法令・制度は改正されることがあるため、最新の内容は各公的機関の公式情報をご参照ください。

この記事の執筆者

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マネーガイドジャーナル編集部

金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。

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