法テラスの使い方ガイド|無料法律相談と費用立替の仕組み
法テラスは国が設立した法的トラブルの総合案内所。無料法律相談や弁護士費用の立替制度の利用条件、サポートダイヤルからの実際の流れを分かりやすく解説します。

借金・未払い・契約トラブル・離婚——法律の問題を抱えたとき、「弁護士に相談したいがお金がない」という理由で動けずにいる方は多いのではないでしょうか。そんなときの公的な入口が法テラス(日本司法支援センター)です。この記事では、法テラスでできること、無料法律相談と費用立替の仕組み、実際の利用の流れを解説します。
法テラスとは——国が設立した法的トラブル解決の総合案内所
法テラスは、総合法律支援法に基づいて設立された公的な法人で、正式名称を日本司法支援センターといいます。「法的トラブルを抱えた人が、どこでも必要な情報やサービスを受けられる社会にする」ことを目的に、全国に地方事務所が置かれています。業務は幅広く、この記事で扱う情報提供や民事法律扶助のほか、犯罪被害に遭われた方への支援や、国選弁護に関する業務なども担っています。
民間の法律事務所と違い、経済的に余裕のない方でも法律サービスにアクセスできるようにすることが役割の中心です。借金の悩み(債務整理など)、給料の未払い、悪質業者とのトラブルなど、お金に関する法律問題の相談先としても広く使われています。
お金の悩みで法テラスが使われる典型的な場面には、次のようなものがあります。
- 複数の借入れの返済が回らなくなり、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理を検討したい
- ヤミ金や違法な取立てへの対応を専門家に依頼したい
- 家賃や敷金をめぐる貸主とのトラブル、未払い賃金の請求をしたい
- 離婚に伴う養育費や財産分与など、生活に直結するお金の取り決めをしたい
法テラスでできる3つのこと
1. 情報提供——問い合わせは無料です
「この悩みはどこに相談すればいいのか」という段階から利用できます。サポートダイヤル(0570-078374)に電話すると、問い合わせ内容に応じて、法制度の一般的な情報や、適切な相談窓口(弁護士会・司法書士会・自治体の窓口など)を案内してもらえます。通話料はかかりますが、案内自体の利用料は無料です。電話のほか、公式サイトからメールで問い合わせる方法や、最寄りの地方事務所の窓口を直接利用する方法もあります。
2. 無料法律相談(民事法律扶助)
収入や資産が一定の基準以下の方は、弁護士・司法書士による無料の法律相談を受けられます。相談時間は1回あたり30分程度が目安で、同じ問題についての相談回数には上限が設けられています。「無料だから」と身構える必要はなく、債務整理や離婚など日常的な法律問題が幅広く対象になります。
3. 弁護士・司法書士費用の立替え
相談の結果、交渉や裁判などの手続きを依頼することになった場合、弁護士・司法書士の着手金や実費を法テラスが立て替える制度があります。利用者は立替金を原則として月々の分割で法テラスに償還していく仕組みで、まとまった費用を一度に用意できない方でも法的手続きに進めるようになっています。
利用条件——収入・資産の基準があります
無料法律相談と費用立替(民事法律扶助)を利用するには、主に次の条件を満たす必要があります。
- 収入と資産が一定基準以下であること——基準は世帯人数や家賃負担の有無などによって異なります。具体的な金額基準は法テラスの公式サイトまたは窓口で確認してください。
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと(費用立替の場合)——和解や自己破産による免責の見込みがある場合なども含まれます。
- 民事法律扶助の趣旨に適すること——報復目的など、制度の趣旨に反する利用は対象外です。
基準を超える収入がある方は民事法律扶助の対象にはなりませんが、その場合でも情報提供業務(窓口案内)は誰でも利用できます。また、弁護士会や司法書士会、自治体が実施する法律相談など、法テラス以外の相談窓口を案内してもらえることもあります。
相談前に準備しておくとよいもの
限られた相談時間を有効に使うために、次のような準備をしておくと助言が具体的になります。
- トラブルの経緯を時系列で簡単にまとめたメモ
- 契約書・督促状・借入れの明細など、関係する書類一式
- 相手方の名称や連絡先が分かるもの
- 収入や資産の状況が分かる書類(民事法律扶助の利用を希望する場合)
書類がそろわなくても相談自体はできますが、「何をどこまで話せばよいか分からない」という不安は、メモを作る過程でかなり整理されます。
実際の利用の流れ
- サポートダイヤル(0570-078374)または最寄りの地方事務所に連絡する——トラブルの内容を伝えると、利用できるサービスを案内してもらえます。
- 無料法律相談の予約——収入等の基準を満たしそうであれば、相談日時を予約します。相談場所は法テラスの事務所のほか、契約している弁護士・司法書士の事務所になる場合もあります。
- 相談当日——収入が分かる書類などの持参を求められることがあります。限られた時間を有効に使うため、経緯のメモや関係書類を整理しておくとスムーズです。
- 依頼する場合は立替制度の審査——手続きを依頼する場合、費用立替の利用について審査が行われ、承認されると契約のうえで事件処理が始まります。
- 立替金の償還——事件の進行中から、原則として月々の分割で立替金を償還していきます。
「いきなり弁護士と話すのは緊張する」という方も心配はいりません。サポートダイヤルのオペレーターは、法律の相談に乗るのではなく適切な窓口へ案内する役割ですので、状況をうまく説明できるか不安でも、分かる範囲で話せば大丈夫です。
返済が苦しいときの猶予・免除の仕組み
費用立替はあくまで「立替え」であり、最終的には利用者が償還していく仕組みです。この点は社会福祉協議会の貸付と同様、利用前に理解しておきたいポイントです。ただし、営利目的の借入れとは異なり、利用者の生活状況に配慮した運用がなされています。
立替金の償還が生活状況からみて難しい場合には、償還の猶予や免除について相談できる仕組みが設けられています。たとえば生活保護を受給している方については、償還が猶予され、一定の要件のもとで免除が認められる取り扱いがあるとされています。「立替金を返せそうにないから利用できない」と最初から諦めるのではなく、生活状況を正直に伝えたうえで相談することが大切です。生活保護そのものについては申請の流れの解説も参考にしてください。
なお、悪質商法や詐欺的な取引による被害は消費者ホットライン188、犯罪に関わる不安があるときは警察相談専用電話#9110という窓口もあります。問題の性質に応じて使い分けましょう。
まとめ:お金を理由に法律問題を放置しないために
法テラスは、情報提供(サポートダイヤル 0570-078374)・無料法律相談・費用の立替えという3つの機能で、経済的に余裕のない方の法的トラブル解決を支える公的機関です。収入・資産の基準など利用条件はありますが、該当するかどうかは問い合わせれば確認できます。借金や未払いなどお金の問題は、放置するほど選択肢が狭まりがちです。一人で抱え込まず、まずは電話一本から動いてみてください。専門家に状況を整理してもらうだけでも、「何をすべきで、何を心配しなくてよいのか」が見え、精神的な負担は大きく変わります。相談した結果、依頼までは必要ないと分かることも含めて、早めに確認する価値があります。生活全般の困りごとは自立相談支援機関への相談も併せて検討しましょう。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報を確認し、確認日を明記します
- 確認できない情報は「確認できず」と正直に記載し、憶測で断定しません
- 特定サービスの利用をあおらず、リスクと公的な相談先を必ず併記します



