住居確保給付金の延長・再支給の条件|最長9か月までの延長申請と、1年後の再支給
住居確保給付金の家賃補助は原則3か月で、3か月ごとに最長9か月まで延長できます。延長の申請時に収入・資産・求職活動の要件を満たす必要があり、再支給は解雇などで再び困窮し支給終了から1年経過した場合などに限られます(施行規則・自治体の案内 2026年11月4日確認)。

住居確保給付金(家賃補助)の支給期間は原則3か月で、条件を満たせば延長されます。延長と再支給の条件は、生活困窮者自立支援法施行規則と自治体の案内(いずれも2026年11月4日確認)で次のように定められています。
- 延長:3か月ごとに最長9か月まで。延長・再延長を申請する時点で、収入・資産・求職活動などの要件を満たしている必要があります。
- 再支給:原則として1回限り。解雇などで再び困窮し、前回の支給終了月の翌月から1年たっている場合などに限られます。
- 窓口:受給中の自治体の自立相談支援機関です。
制度の対象者や申請の流れは住居確保給付金の概要で解説しています。本記事は、受給を始めた後の延長と、終わった後の再支給に絞って説明します。
Q1. 延長は何回まで、最長何か月ですか
施行規則12条1項は、家賃相当額を3か月間支給し、引き続き支給することが就職の促進に必要と認められるときは「三月ごとに九月までの範囲内」で都道府県等が定める期間とすることができると定めています。神戸市・広島市は、3か月間を2回まで延長でき、最長9か月間(当初・延長・再延長)と案内しています。
出典:生活困窮者自立支援法施行規則12条(e-Gov法令検索)/神戸市:住居確保給付金/住居確保給付金の支給|広島市公式ウェブサイト(2026年11月4日確認)
Q2. 延長が認められる条件は何ですか
12条1項ただし書は、支給期間中に、世帯の生計を主として維持していること、収入が基準額と家賃(住宅扶助基準に基づく額が上限)の合計以下であること、金融資産が基準額の6倍(100万円が上限)以下であること、求職活動を行っていることの各要件に該当していることを求めています(施行規則10条2号〜5号を参照)。羽村市は「延長・再延長申請時に支給要件に該当している必要があります」と、広島市は受給中に所定の就職活動等の報告を行った方が対象と案内しています。
このため、受給中に収入が増えた場合や、毎月の報告をしていない場合は、延長の対象にならないことがあります。延長の申請書は自治体の様式があり、広島市では「住居確保給付金支給申請書(期間(再)延長)」を使います。
出典:生活困窮者自立支援法施行規則10条・12条(e-Gov法令検索)/住居確保給付金について【家賃補助・転居費用補助】 | 羽村市公式サイト/住居確保給付金の支給|広島市公式ウェブサイト(2026年11月4日確認)
Q3. 受給中・延長中はどんな求職活動が必要ですか
大田区・神戸市・江戸川区は、離職・廃業などで申請した方の求職活動として、次の3つを挙げています。
| 活動 | 回数 |
|---|---|
| 自立相談支援機関(大田区はJOBOTA、神戸市はくらし支援窓口)の面接等の支援 | 月4回以上 |
| 公共職業安定所(ハローワーク)等での職業相談等 | 月2回以上 |
| 求人先への応募、または求人先の面接 | 原則週1回以上 |
神戸市は、毎月、求職活動状況報告書などの書類で報告するよう求めています。自営業の方は、経営相談先の助言にもとづく自立に向けた活動で求職活動に代えられる場合があります。施行規則10条5号イただし書は、この扱いを申請月から3か月間(延長する場合は6か月間)に限っています。大田区は「支給6月目まで、7月目からは上記(ア)の活動が必要」、神戸市は「再延長期間(7~9ヶ月目)は、すべての者が」ハローワーク等での求職活動を行う必要があるとしています。
出典:大田区ホームページ:住居確保給付金/神戸市:住居確保給付金/住居確保給付金(家賃補助) 江戸川区ホームページ/生活困窮者自立支援法施行規則10条(e-Gov法令検索)(2026年11月4日確認)
Q4. 途中で支給が止まるのはどんな場合ですか
施行規則15条は、正当な理由なく就労支援に関する指示に従わない場合と、期間の定めのない労働契約または6か月以上の労働契約で就職し、収入が基準額と家賃の合計を超えた場合は支給しないと定めています。広島市は、このほか次の場合に支給を中止すると案内しています。
- 求職活動などの報告を怠ったとき
- 受給者が住宅から退去したとき(借主の責によらず転居せざるを得ない場合などを除く)
- 虚偽の申請など不適正な受給が明らかになったとき
- 生活保護費を受給したとき
出典:生活困窮者自立支援法施行規則15条(e-Gov法令検索)/住居確保給付金の支給|広島市公式ウェブサイト(2026年11月4日確認)
Q5. 病気やけがで求職活動ができなくなったらどうなりますか
施行規則12条2項は、受給者が疾病または負傷で求職活動の要件に該当しなくなった後、2年以内に再び要件に該当し、引き続き支給することが就職の促進に必要と認められるときは、支給を行うと定めています。この場合の支給期間は、合算して9か月を超えない範囲です。病気やけがで活動が難しくなった時点で、窓口に事情を伝えてください。
出典:生活困窮者自立支援法施行規則12条2項(e-Gov法令検索)(2026年11月4日確認)
Q6. 一度受け取った後に、もう一度受け取れますか(再支給)
施行規則16条は、支給を受けた方には原則として再び支給しないとしたうえで、例外を定めています。主な例外は、自己の責めに帰すべき理由によらない解雇その他事業主の都合による離職、本人の責め・都合によらない廃業や収入を得る機会の減少で経済的に困窮した場合で、支給が終了した月の翌月から起算して1年を経過していることが条件です。
神戸市・広島市は、これに加えて、前回の受給期間中または受給終了後に常用就職するか、給与や自営業の収入の増加で収入基準額以上の収入を得ていたことを再支給の条件として案内しています。再支給でも、ほかの支給要件は満たす必要があります(神戸市)。
出典:生活困窮者自立支援法施行規則16条(e-Gov法令検索)/神戸市:住居確保給付金/住居確保給付金の支給|広島市公式ウェブサイト(2026年11月4日確認)
Q7. 9か月たっても家賃が払えそうにないときは
家賃補助の延長は9か月が上限です。家賃を下げるための転居が必要な場合は、住居確保給付金の転居費用補助の対象になることがあります。施行規則は、世帯員の死亡・離職・休業等で世帯収入が著しく減少した場合に、家計改善の相談支援で転居により家計全体の支出の削減が見込まれることなどを要件として、新たな住居の確保に要する費用を支給すると定めています(3条の2・10条・11条1項2号)。上限は転居先の市町村の住宅扶助基準に基づく額の3倍です。
羽村市は、対象経費を原状回復費用、家財運搬費用、礼金、仲介手数料、住宅保険料、家賃債務保証料、鍵交換費用とし、不動産仲介業者等へ直接振り込むとしています。転居先の家賃が今より多少高くなっても、家計全体が改善すれば対象になる可能性があります(広島市)。
出典:生活困窮者自立支援法施行規則3条の2・10条・11条(e-Gov法令検索)/住居確保給付金について【家賃補助・転居費用補助】 | 羽村市公式サイト/住居確保給付金の支給|広島市公式ウェブサイト(2026年11月4日確認)
家賃そのものを払えない状態が続く場合は家賃が払えないときを、生活費全体が足りない場合は生活保護の申請の進め方を参考にしてください。
受給開始から再支給までの時期の目安
上の説明を、受給開始からの月ごとに並べると次のとおりです(期間の数え方や様式は自治体によって異なります)。
| 時期 | すること・起きること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1〜3か月目(当初) | 毎月、求職活動(面接等月4回・職業相談月2回・応募週1回)と報告。家賃は自治体から家主等へ直接支払われます | 施行規則10条・12条・17条、神戸市・広島市 |
| 当初3か月の期間中 | 延長の申請。申請時点で収入・資産・求職活動の要件を満たしていること | 施行規則12条1項、羽村市 |
| 4〜6か月目(延長) | 同じ活動と報告を継続。自営業の方の代替活動は6か月目まで | 施行規則10条5号イ、大田区 |
| 延長期間(4〜6か月目)中 | 再延長の申請 | 施行規則12条1項、広島市 |
| 7〜9か月目(再延長) | すべての方がハローワーク等での求職活動を行う。9か月で終了 | 神戸市・大田区 |
| 支給終了の翌月から1年経過後 | 解雇などで再び困窮した場合に再支給を受けられる可能性 | 施行規則16条 |
相談先
- 受給中の自治体の自立相談支援機関:延長・再延長・再支給・転居費用補助の申請。窓口名は自治体ごとに異なります(大田区はJOBOTA、神戸市は区役所・支所内のくらし支援窓口、広島市はくらしサポートセンター)。生活困窮者自立支援制度(厚生労働省)
- ハローワーク:職業相談と求人への応募。雇用保険の基本手当は失業手当(基本手当)で解説しています。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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