マネーガイドジャーナル

失業手当(基本手当)とは?2025年改正で自己都合の給付制限が短縮【2026年7月】

失業手当(雇用保険の基本手当)の受給条件・給付日数・金額の目安をわかりやすく解説。2025年4月の改正で、自己都合退職の給付制限が原則2か月から1か月に短縮され、リスキリングの教育訓練を受けると給付制限が解除される点も紹介します。

失業手当(基本手当)とは?2025年改正で自己都合の給付制限が短縮【2026年7月】

失業手当(正式には雇用保険の基本手当)は、離職して求職活動をしている間の生活を支える給付です。ハローワークで求職を申し込み、働く意思と能力があるのに就職できない「失業の状態」が対象です。

受給の条件

  • 自己都合・定年など一般の離職:離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上
  • 倒産・解雇など(特定受給資格者)・雇止め等(特定理由離職者):離職前1年間に通算6か月以上

金額と給付日数の目安

1日あたりの基本手当は、離職前6か月の賃金から計算した賃金日額の約50〜80%(低賃金の人ほど率が高い)。所定給付日数は、一般の離職者で被保険者期間により90〜150日、倒産・解雇等では年齢と期間に応じ最大330日と手厚くなります。基本手当日額には年齢別の上限があり、毎年8月に改定されます。

2025年(令和7年)改正のポイント

令和7年4月1日以降の正当な理由のない自己都合退職は、給付制限が原則「2か月」から「1か月」に短縮されました(過去5年に2回以上の自己都合退職や重責解雇は3か月)。さらに、離職前後にリスキリング(教育訓練)を受けると給付制限が解除され、待期後すぐに受給できる場合があります。ハローワークへの申し出が必要です。

なお、誰でも受給資格決定日から待期7日間は支給されません。出典:ハローワーク(基本手当)厚生労働省(給付制限の見直し)

受給までの流れをステップで確認

基本手当は「申請したら自動で振り込まれる」給付ではなく、いくつかの段階を踏みます。全体の流れを先に知っておくと、書類の準備や生活費の見通しが立てやすくなります。とくに最初の振込までは一定の時間がかかるため、当面の生活費の計画とセットで考えることが大切です。

  1. ステップ1:離職票を受け取る——退職した会社から交付されます。届かないときは会社へ催促し、それでも届かなければハローワークに相談しましょう。
  2. ステップ2:ハローワークで求職申込みと離職票の提出をする——ここで受給資格が確認されます。
  3. ステップ3:待期7日間を経過する——この期間はどんな離職理由でも支給されません。自己都合の場合は、その後に給付制限期間が続きます。
  4. ステップ4:雇用保険受給者向けの説明会に参加する——受給中のルールや認定日の説明があります。
  5. ステップ5:失業認定日にハローワークへ行く——求職活動の状況を申告し、失業状態と認定されると後日振り込まれます。以後はこの認定のサイクルを繰り返します。

認定を受けるには、求人への応募や職業相談といった求職活動の実績が求められます。必要な内容・回数は説明会と窓口の案内に従ってください。「とりあえず申請だけして何もしない」では支給が止まる点に注意が必要です。

「自分は対象になる?」迷いやすいケース

  • 契約期間満了で更新されなかった:いわゆる雇止めは、特定理由離職者として一般の自己都合より有利な扱いになる場合があります。自分で判断せず、経緯をハローワークに伝えましょう。
  • 病気・ケガですぐに働けない:基本手当は「働ける状態」が前提です。働けない間は受給を先送りする手続き(受給期間の延長申請)ができるので、諦める前に相談を。
  • 短時間のパートだった:雇用保険に加入していたかがカギです。給与明細の控除欄や、ハローワークでの加入記録の確認から始めましょう。
  • 家族の扶養に入る予定:受給中は健康保険の扶養に入れない場合があります。加入先の健康保険組合や協会けんぽに事前に確認してください。
  • 定年で退職した:定年退職でも受給を検討できますが、しばらく休んでから求職活動を始めたい場合など、事情に応じた手続きの扱いが異なることがあります。退職後の予定を伝えたうえでハローワークに確認しましょう。

いずれのケースも、離職票・雇用契約書・給与明細など事実関係の分かる書類を持って窓口に行くと、その場で判断してもらいやすくなります。

つまずきやすいポイント・注意点

  • 離職理由の食い違い:会社都合か自己都合かで給付制限や給付日数が変わります。離職票の記載が実態と違うときは、ハローワークで異議を伝え、資料(退職勧奨のメールなど)を示して確認してもらえます。
  • 認定日に行き忘れる:正当な理由なく認定日を欠席すると、その期間分が支給されないことがあります。日程は必ず控えておきましょう。
  • アルバイト・手伝いの無申告:受給中に収入を得たのに申告しないと不正受給として返還などの対象になり得ます。短時間でも必ず申告してください。
  • 手続きの先延ばし:受給できる期間には期限があります。離職後は早めにハローワークで手続きし、期限の詳細はその場で確認しましょう。

不明点をそのままにせず、認定日などでハローワークに行った際にまとめて質問する習慣をつけると、思わぬ不支給や手続き漏れを防げます。

ほかの制度との使い分け

基本手当が受けられない・足りない場合も、別の制度が残っています。雇用保険に入っていなかった人は求職者支援制度(職業訓練を受けながらの給付)をハローワークで、病気で働けない人は健康保険の傷病手当金を加入先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)で、それぞれ確認できます。生活費そのものが不足しているなら公的な貸付・給付を、保険料の負担が重いなら国保・年金が払えないときの手続きをあわせて確認しましょう。「基本手当がだめなら借金」ではなく、制度の間をつなぐ選択肢を先に探すのが安全です。どの制度に当てはまるか自分で切り分けられないときは、ハローワークの窓口で「基本手当以外に使える制度はないか」とそのまま聞いてしまって構いません。

よくある質問

Q.自己都合退職でもすぐにもらえますか?
A.待期7日間はどの離職理由でも共通です。自己都合はその後に給付制限がありますが、2025年の改正で原則1か月に短縮され、教育訓練を受けると解除される場合もあります(本文参照)。

Q.受給中にアルバイトをしてもいいですか?
A.一律に禁止ではありませんが、働いた日・収入は必ず申告が必要で、支給が減額・先送りになる場合があります。事前にハローワークへ確認するのが確実です。

Q.自分の金額はいつ分かりますか?
A.受給資格の決定後に交付される受給資格者証などの書類で確認できます。事前におおよそを知りたい場合も、ハローワークで試算の相談ができます。

Q.受給中に就職が決まったらどうすればいいですか?
A.すぐにハローワークへ報告してください。支給残日数などの条件によっては、再就職に伴う手当の対象になるかをその場で確認できます。報告が遅れると手続きが複雑になるため、決まった時点で連絡するのが確実です。

Q.離職票が届く前でも相談できますか?
A.できます。書類がそろっていなくても、今後の流れや必要書類の確認はハローワークで相談可能です。会社が書類を出してくれない場合の対応も含めて相談できます。

まとめ

失業手当は離職理由と被保険者期間で給付日数が変わります。2025年の改正で自己都合の給付制限が1か月に短縮され、教育訓練で解除もできるようになりました。手続き・正確な金額はハローワークでご確認ください。

あわせて確認したいこと

本記事は公的制度の一般的な解説です。金額・給付日数・要件は改正されることがあり、個々のケースで異なります。正確な内容・最新情報は厚生労働省・ハローワーク・全国健康保険協会・日本年金機構・お住まいの自治体の窓口でご確認ください(2026年7月時点)。

この記事の執筆者

マネーガイドジャーナル編集部のプロフィールイラスト

マネーガイドジャーナル編集部

金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。

  • 掲載情報は公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報を確認し、確認日を明記します
  • 確認できない情報は「確認できず」と正直に記載し、憶測で断定しません
  • 特定サービスの利用をあおらず、リスクと公的な相談先を必ず併記します

運営者情報コンテンツ制作ポリシー

RELATED ARTICLE関連記事

NEW

失業・退職でお金がないときに使える公的支援まとめ【2026年7月】

仕事を失って収入がないとき、闇金や違法な現金化に頼る前に使える公的な給付・支援制度をまとめました。失業手当・傷病手当金・再就職手当・求職者支援制度・国保/年金の軽減・住居確保給付金を、状況別に一次情報ベースで整理します。

詳しく見る ›
NEW

求職者支援制度とは?雇用保険がなくても月10万円+無料の職業訓練【2026年7月】

求職者支援制度は、雇用保険(失業手当)を受けられない求職者が、無料の職業訓練を受けながら、収入・資産などの要件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金を受け取れる制度です。対象・支給要件・注意点を解説します。

詳しく見る ›
NEW

傷病手当金と失業手当は両方もらえる?病気で働けないときの受給の順番【2026年7月】

病気やケガで働けないときは、健康保険の傷病手当金(給与の約2/3・通算1年6か月)が受けられます。失業手当とは「働けるか働けないか」で要件が相反するため同時には受けられません。受給の順番と退職後の継続給付を解説します。

詳しく見る ›
NEW

退職後の国民健康保険・年金を安くする方法|会社都合の軽減と失業特例免除【2026年7月】

退職して収入が減ると、国民健康保険料や国民年金保険料の負担が重くなります。倒産・解雇などの会社都合離職には国保料の軽減(前年給与所得を30/100とみなす)、年金には失業特例の免除があります。対象と申請先を解説します。

詳しく見る ›