会社が倒産・給料未払いのときに使える制度まとめ【2026年7月】
勤務先が倒産した、給料が支払われない——そんなとき、闇金や違法な現金化に頼るのは危険です。未払賃金立替払制度・労基署への申告・会社都合退職の失業手当・解雇予告手当など、国が用意した正規の制度を状況別に一次情報ベースで整理します。

勤務先が倒産した、給料が払われない——収入が途絶えて「お金がない」とき、違法な現金化やヤミ金・個人間融資に頼るのは危険です。まずは、倒産・給料未払いのときに使える正規の制度が使えないかを確認しましょう。この記事は状況別の入口です。
状況別:あなたはどれ?
- 会社が倒産して給料が未払いのまま退職した → 未払賃金立替払制度(未払い賃金の8割を国が立替)
- 会社は続いているが給料が払われない → 給料が支払われないときの対処法(労基署への申告・請求)
- 倒産・解雇で退職した → 会社都合退職は失業手当が手厚い(特定受給資格者)
- 予告なく解雇された → 解雇予告手当(30日分以上)
「倒産」には2種類あります
未払賃金立替払制度でいう倒産には、①法律上の倒産(破産・特別清算・民事再生・会社更生の手続開始)と、②事実上の倒産(中小企業で事業が停止し再開の見込みがなく賃金支払能力がないと労働基準監督署長が認定した場合)の2種類があります。②は労働者が労基署に「認定申請」を行います。どちらに当たるかで手続きの入口が変わります。
倒産に気づいたら最初にやること(ステップ)
- 状況を確認する:裁判所の手続き(破産など)が始まっているか、破産管財人(弁護士)からの案内が来ていないかを確認します。案内文書は捨てずに保管を。
- 手元の資料を確保する:雇用契約書・給与明細・タイムカードの控え・振込履歴など、勤務と未払いを示す資料を整理します。会社に入れなくなる前に、手元にある分をそろえておくことが大切です。同僚と連絡先を交換しておくことも、後々の手続きで役立ちます。
- 離職票を確保する:失業手当の手続きに必要です。会社から受け取れない場合は、ハローワークに事情を伝えれば対応を案内してもらえます。
- 労働基準監督署に相談する:給料が未払いなら、立替払制度の利用や「事実上の倒産」の認定申請について相談します。
- ハローワークで失業手当の手続きをする:生活費の柱になるため、後回しにせず早めに進めましょう。
倒産の場面では、会社からの説明が十分にないまま状況が進むことが珍しくありません。「誰かが手続きしてくれるのを待つ」のではなく、資料の確保・労基署への相談・失業手当の手続きという自分でできる行動を先に進めることが、受け取れるお金と生活の再建を守ります。破産管財人が選ばれている場合は、未払い賃金に関する案内が届くことがあるため、届いた書類にはすべて目を通し、期限のあるものから対応してください。
迷いやすいケースの考え方
- 社長と連絡が取れない・会社が突然閉まった:裁判所の手続きがなくても、「事実上の倒産」として労基署長の認定を受けられる場合があります。自分で倒産かどうか判断できなくても、まず労基署に相談してください。事業停止の状況(事務所の閉鎖・連絡が取れなくなった時期など)をメモしておくと相談がスムーズです。
- 「倒産ではない、必ず払う」と言われ続けている:会社が事業を続けているなら給料未払いの対処法のとおり労基署への申告や請求を進めます。約束を待つだけで時間が過ぎると、使える手続きの期限に影響することがあります。
- 給料の代わりに会社の商品や備品を持ち出したい:勝手に持ち出すと、後の手続きでトラブルになるおそれがあります。会社の財産の扱いは破産管財人や労基署に確認してから行動してください。
- 健康保険・年金はどうなる?:退職後は国民健康保険・国民年金への切り替えなどの手続きが必要です。お住まいの市区町村窓口で、負担の軽減制度もあわせて相談しましょう。
- パート・アルバイトだった:立替払制度や失業手当は、雇用形態だけを理由に対象外になるものではありません。「バイトだから関係ない」と思い込まず、正社員と同じように窓口へ相談してください。
生活のつなぎ方と注意点
立替払や失業手当の手続きには一定の時間がかかります。その間の生活費は、今すぐお金が必要なときの対処を参考に、支払いの猶予相談(家賃など)と公的支援でつなぎましょう。収入が途絶えた不安からヤミ金・個人間融資や現金化に頼ると、立て直しがかえって難しくなります。倒産は労働者の責任ではありません。正規の制度と窓口を最大限使ってください。
手続きが複数の窓口にまたがるのが倒産時の大変なところです。「未払い賃金は労基署と労働者健康安全機構」「失業手当はハローワーク」「保険・年金・生活費の相談は市区町村」と役割を整理し、それぞれで言われたこと・もらった書類をひとつのファイルにまとめておくと、混乱せずに進められます。不明な点はその場で「次に何をすべきか」を担当窓口に確認する習慣をつけましょう。
よくある質問
Q. 未払賃金の立替払と失業手当は両方受けられますか?
A. 別々の制度なので、それぞれの要件を満たせば両方の手続きを進められます。詳しい取り扱いは労基署・ハローワークで確認してください。必要書類が重なることも多いため、同じ資料一式を持ってそれぞれの窓口を回ると効率的です。
Q. 退職金も対象になりますか?
A. 立替払制度には対象となる賃金の範囲が定められており、退職手当が含まれる場合があります。対象範囲・要件は労働者健康安全機構の公式情報で確認を。就業規則や退職金規程が手元で確認できる場合は、手続きの際に役立ちます。
Q. 同僚と一緒に動いたほうがいいですか?
A. 手続き自体は一人でもできますが、勤務実態や未払いの状況を複数人で説明できると話が進みやすい場合があります。情報を共有しつつ、それぞれ早めに窓口へ相談しましょう。ただし進み方は人それぞれ違うため、他の人の動きを待ちすぎないことも大切です。
手続きのあとを見据えた生活の立て直し
立替払や失業手当の手続きにめどがついたら、その先の生活を立て直す視点も持ちましょう。倒産による離職は突然の出来事のため、生活費の不安から次の仕事を急いで決めてしまいがちですが、労働条件を十分に確認しないまま入社すると、同じような不安を繰り返すおそれがあります。ハローワークでは求人紹介だけでなく、職業相談や職業訓練の案内も受けられるとされているため、仕事選びを見直す機会として活用しましょう。
家計の面では、収入が安定するまでの間、通信費や保険料などの固定費を見直し、支出の優先順位を整理しておくと、再出発後の生活が楽になります。生活全体の立て直しに迷うときは、お住まいの自治体の自立相談支援機関で家計や就労の相談ができます。倒産という出来事に区切りをつけ、焦らず段階的に生活を整えていくことが、長い目で見た再建につながります。
Q. 次の仕事はすぐに決めるべきですか?
A. 生活費の確保は大切ですが、焦って労働条件を確認しないまま入社すると、同じような不安を繰り返すおそれがあります。失業手当の手続きを進めつつ、ハローワークの職業相談で求人票の見方や条件の確かめ方を教わりながら、納得できる再出発を目指しましょう。
まとめ
倒産や給料未払いは、労働者に落ち度がなくても起こります。慌てて高利の借入や違法な現金化に走る前に、上記の公的制度を確認してください。正確な要件・金額・上限は各公式窓口でご確認を。
あわせて確認したいこと
- 失業・退職の給付全般:失業・退職でお金がないときに使える公的支援まとめ
- まず確認:今すぐお金が必要なときにまず確認したいこと
- 滞納で困る前に:家賃が払えないとき
出典:労働者健康安全機構(未払賃金の立替払制度の概要)、厚生労働省(未払賃金の立替払制度Q&A)
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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