マネーガイドジャーナル
失業・退職時の給付更新 2026.10.17

求職者支援制度の概要|雇用保険がなくても月10万円の給付と無料の職業訓練

求職者支援制度は、雇用保険(失業手当)を受けられない求職者が、無料の職業訓練を受けながら、収入・資産などの要件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金を受け取れる制度です。対象・支給要件・注意点を解説します。

求職者支援制度の概要|雇用保険がなくても月10万円の給付と無料の職業訓練

求職者支援制度は、失業手当を受けられない人(自営業を廃業した人、雇用保険に入っていなかった人、給付が終わった人など)が、無料の職業訓練を受けながら生活支援の給付を受けられる制度です。

支給される給付(職業訓練受講給付金)

  • 職業訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当(交通費・上限あり)、寄宿手当:月10,700円

訓練期間は概ね2〜6か月です。給付金の要件を満たさない場合でも訓練自体は無料で受講できます(給付金のみ要件あり)。

給付金の主な支給要件(原則としてすべてを満たすこと)

  • 本人収入が月8万円以下、世帯収入が月30万円以下
  • 世帯の金融資産が300万円以下
  • 居住地以外に土地・建物を所有していない
  • すべての訓練日に出席(やむを得ない場合も8割以上)
  • 世帯に同時に給付を受ける人がいない/過去の不正受給がない 等

ハローワークが窓口です。生活費が足りない場合は労働金庫の「求職者支援資金融資」(貸付=返済が必要)もあります。出典:厚生労働省(求職者支援制度)

申込みから受講開始までの流れ

  1. ハローワークで求職申込み:制度の利用にはハローワークでの求職申込みが前提です。窓口で「求職者支援制度を利用したい」と相談します。
  2. 訓練コースを選ぶ:地域ごとに介護・IT・事務など様々なコースがあり、募集時期・定員が決まっています。見学会を実施しているコースもあります。
  3. 受講申込みと給付金の事前手続き:ハローワークで受講申込みの手続きを行い、給付金を希望する場合はあわせて事前審査の申請をします。収入・資産などの確認書類が必要です。
  4. 訓練実施機関の選考:面接・筆記など、訓練実施機関ごとの選考があります。
  5. 合格後、支援指示を受けて受講開始:ハローワークの就職支援計画に基づく支援指示を受けて受講が始まります。
  6. 受講中は毎月ハローワークへ:指定された来所日に職業相談を受け、給付金の支給申請を毎月行います。

コース選びから受講開始までには一定の期間がかかります。その間の生活費に不安がある場合は、生活の立て直しの相談も含めて、早い段階でハローワークの窓口に事情を伝えておくことをおすすめします。

対象となるか判断に迷うケースの考え方

「失業中の人だけの制度」と思われがちですが、判断の軸は「雇用保険の失業手当を受けられない求職者で、ハローワークが訓練の必要性を認めるか」です。自営業を廃業した人、失業手当の受給が終わった人、雇用保険に入らずに働いていた人のほか、パートで働きながら正社員への転職を目指す在職中の人が対象になる場合もあります。また、収入・資産の要件は給付金(月10万円)を受けるための条件であり、要件を満たさない人でも訓練自体は無料で受講できます。どのコースがご自身の就職に結びつくか分からない場合も、ハローワークの職業相談で、地域の求人動向や本人の経験をふまえた助言を受けられます。ご自身が対象かどうかを推測で判断せず、窓口で状況を伝えて確認するのが確実です。

利用時の主な注意点

  • 出席要件は厳格:原則すべての訓練日に出席が必要で、やむを得ない欠席でも8割以上の出席が求められます。遅刻・早退の扱いも事前に確認しておいてください。
  • 毎月の来所日を忘れない:指定来所日にハローワークへ行かないと、その月の給付金が受けられないことがあります。
  • 申込みには募集期限がある:コースごとに募集期間・選考日が決まっており、訓練開始直前では間に合いません。早めにハローワークで日程を確認してください。
  • 収入が増えると要件を外れる場合がある:アルバイト収入が増えて本人収入が月8万円を超えるなど、要件を外れると給付金は受けられません。虚偽の申告は不正受給として厳しく扱われます。
  • 就職活動と並行する前提の制度:訓練を受けること自体が目的ではなく、修了後の就職に向けてハローワークの支援指示に沿って動く制度です。職業相談・応募活動も一体のものとして取り組む必要があります。

よくある質問

Q.失業手当を受給している間も利用できますか?
A.失業手当を受給中の人は原則として給付金の対象外です(受給が終わった後は対象になり得ます)。どの枠組みで訓練を受けるかを含め、ハローワークで確認してください。

Q.給付金の要件を満たさない場合はどうすればよいですか?
A.訓練自体は無料で受講できます。生活費が不足する場合は、労働金庫の「求職者支援資金融資」(貸付=返済が必要)について、ハローワークで案内を受けられます。借入は返済負担が残るため、まず給付・減免系の制度から確認することをおすすめします。

Q.訓練を途中でやめたらどうなりますか?
A.正当な理由なく辞めると給付金は支給されなくなり、状況によっては返還を求められることがあります。体調や家庭の事情で続けられるか不安が出てきたら、辞める前に早めにハローワークへ相談してください。

ハローワークで確認される事項と持ち物の準備

初回の相談から受講申込みまでを円滑に進めるには、窓口で確認される事項をあらかじめ整理しておくことが有効です。求職申込みの場面では、これまでの職歴や持っている資格、希望する仕事の方向性、訓練でどんなスキルを身につけたいかを聞かれます。うまくまとまっていなくても相談しながら整理できますが、簡単な職歴メモを持参すると相談内容が具体的になります。給付金の事前審査の場面では、本人と世帯の収入・資産の状況を確認するための書類(給与明細や通帳など、何が必要かは窓口の指示に従います)を求められます。世帯全体の状況を申告する仕組みのため、同居家族の収入についても事前に把握しておいてください。このほか、本人確認書類やマイナンバーの分かるものは早い段階で必要になります。訓練コースの募集期間・選考日はコースごとに決まっているため、初回相談の際に希望分野の直近の日程を確認し、逆算して準備を進めることが重要です。服装などの決まりはありませんが、その場で指示された事項を書き留められるよう、筆記用具を用意しておくことをおすすめします。

訓練期間中の生活設計の考え方

訓練は概ね2〜6か月続くため、受講を決める前に、その期間の家計の見通しを立てておくことが大切です。給付金の対象になる場合は、職業訓練受講手当(月10万円)と通所手当を前提に、家賃・水道光熱費・通信費などの固定費を書き出して、毎月の不足額を把握してください。不足が出る場合、アルバイトで補う方法は本人収入の要件に影響し得るため、自己判断で増やさず必ず事前にハローワークへ相談してください。固定費の負担を軽くする制度もあわせて確認してください。家賃が苦しいときや国保・年金の納付が難しいときには、それぞれ相談先と軽減の仕組みがあります。訓練修了までの資金計画に不安がある場合は、受講開始前の相談時に率直に伝えることで、給付や貸付を含めた選択肢を一緒に整理してもらえます。生活面の不安を抱えたまま受講を始めるより、最初に不安な点をすべて相談して計画を立てるほうが、途中で辞めざるを得なくなる事態を防げます。

まとめ

雇用保険が使えなくても、求職者支援制度を利用すれば、無料の職業訓練と月10万円の給付を受けられる可能性があります。収入・資産の要件があるため、詳しくはハローワークでご相談ください。

関連情報

本記事は公的制度の一般的な解説です。金額・給付日数・要件は改正されることがあり、個々のケースで異なります。正確な内容・最新情報は厚生労働省・ハローワーク・全国健康保険協会・日本年金機構・お住まいの自治体の窓口でご確認ください(2026年7月時点)。

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