審査に通らないときの選択肢|公的制度と生活再建の相談先
審査に通らなかった場合に、続けて申し込む前に確認すべき事項を整理しました。理由が知らされない仕組み、信用情報の開示制度、支払いを軽くする相談、公的な貸付・給付、生活再建の相談先についてまとめています。

審査に通らなかった場合は、別の申込先へ申し込み直すより先に、借入に頼らずに立て直す方法を確認したほうが、結果として早く解決することが多いです。審査に通らなかったことは、返済の見通しが立ちにくい状態にあることを示している場合があります。そこに新しい借入を重ねると、状況は改善せず、より複雑になります。本記事では、審査に通らなかったあとに取れる選択肢を順番に整理します。
審査に通らなかった理由は原則として開示されない
審査に通らなかった場合、その理由が具体的に説明されることは一般にありません。判断の基準は各社が独自に定めており、外部に開示されないためです。このとき多く見られるのが、他社なら基準が違うかもしれないと考えて次々に申し込むという行動です。しかし、申込みの記録は信用情報機関に残るため、短期間に多くの申込みが記録されると、その後の審査で不利に働くことがあるとされています。まず、申込みをいったん止めてください。
そのうえで、ご自身の信用情報を確認する方法があります。日本には指定信用情報機関があり、本人が自分の情報の開示を請求できる制度が用意されています。延滞の記録が残っていないか、身に覚えのない契約がないか、すでに完済したはずの情報が更新されていないかを、ご自身で確認できます。開示の方法や手数料は各機関の公式情報でご確認ください。
借入ができない場合に必要な対応
審査に通らないという状況は、収入に対して支出や返済の負担が大きい状態である可能性を示しています。その場合に必要なのは追加の借入ではなく、多くの場合、次のいずれかの対応です。
- 支出そのものを減らす:保険料や税の減免・猶予、公共料金や通信費の見直しなど、支払う額を下げる方向の手当てです。
- 支払いのタイミングをずらす:支払先への相談により、期日の変更や分割払いへの変更を求める方向です。
- 受け取れるお金を確認する:給付や助成など、返さなくてよいお金の制度が使えないかを確認する方向です。
- 返済の総量を組み直す:既存の借入の返済が困難な場合に、法的な整理を含めて条件を組み直す方向です。
この四つは、いずれも新たな借入に頼らない方法です。順番としては、支出を減らす方向と受け取れるお金の確認から始めることをおすすめします。
公的な貸付・給付を確認する
民間の審査に通らなかった人でも、公的な制度の対象になることがあります。制度は目的ごとに分かれており、要件も別に定められています。
- 生活福祉資金貸付制度:収入の少ない世帯、高齢者や障害のある方がいる世帯などを対象とする公的な貸付制度です。窓口は都道府県・市区町村の社会福祉協議会です。用途によって資金の種類が分かれています。
- 自立相談支援機関:生活困窮者自立支援制度にもとづく相談窓口です。家計の立て直し、就労、住まいの相談を一つの窓口で受けられ、必要に応じてほかの制度の案内を受けられます。
- 住居確保給付金:離職や収入減少で住まいを失うおそれがある場合に、家賃相当額の支援を受けられる制度です(住居確保給付金)。
- 国民健康保険・国民年金の減免・猶予:市区町村の窓口で相談できます。滞納する前に相談することが大切です(国保・年金が払えないとき)。
- 就学援助・各種の助成:子どもの学用品費や給食費などを支援する仕組みが市区町村に用意されています。
- 生活保護:生活を維持できない状態のときの最後のセーフティネットです。相談すること自体をためらう必要はありません。
これらの制度は、対象となる条件や支給・貸付の内容が制度ごと、地域ごとに定められています。個別に数字を調べるより、まず窓口に連絡してご自身が対象になるかを確認するほうが確実です。
既存の借入の負担が大きい場合の債務整理
審査に通らない背景に、すでに複数の返済を抱えている状況がある場合は、債務整理という選択肢を検討する段階にある可能性があります。債務整理には複数の方法があり、収入や資産、住まいの状況によって適した方法が変わります。影響やデメリットもあるため、ご自身だけで判断せず、法テラスや弁護士会・司法書士会の相談窓口で確認してください。早い段階で相談するほど、選択できる方法は多く残ります。
特に注意が必要なのは、「借金を減らす」「ブラックでも通す」といって費用を求める民間業者の勧誘です。公的な相談窓口は無料で利用でき、条件によっては費用の立替の制度もあります。まず公的な窓口から確認してください。
審査に通らなかった後に避けるべき行動
- 立て続けに申し込む:申込みの記録は残ります。一度立ち止まり、状況を整理してから行動してください。
- 「審査なし」をうたう相手に連絡する:返済能力を確認する制度と食い違う説明であり、無登録営業の疑いがあります(審査なしをうたう業者)。
- 個人間の貸し借りをSNSで探す:公的機関が繰り返し注意喚起している領域です(個人間融資の危険)。
- カードの枠を現金に換えようとする:会員規約で禁じられていることが一般的で、利用停止などの不利益につながるおそれがあります(現金化とは)。
- 誰にも相談せずに抱え込む:状況が改善しないまま滞納だけが増える状態は、最も立て直しが難しくなります。
相談前に用意しておくと手続きが円滑になるもの
- 収入がわかるもの:給与明細、年金の通知など、直近の状況がわかるもの。
- 支出がわかるもの:家賃、公共料金、通信費などの請求書や引き落としの記録。
- 返済の一覧:どこから、いつ、いくら返しているか。正確でなくても構いません。分かる範囲で書き出してください。
- 届いている通知:督促状や催告書は、封を開けていなくても持参してください。期限が書かれていることがあります。
すべてそろっていなくても相談はできます。書類がそろうまで相談を先延ばしにするほうが不利になるため、まずは電話での相談から始めてください。
相談窓口
いずれも公的な窓口またはそれに準じる窓口であり、相談自体に費用はかかりません。「手続きを代行します」といって費用を求める民間業者に依頼する前に、まずこちらを確認してください。
- 消費者ホットライン「188」:局番なしの188。契約や勧誘のトラブル全般について、お住まいの地域の消費生活センター等につながります。消費者庁
- 法テラス(日本司法支援センター):0570-078374 借金や契約の法的トラブルの相談窓口。条件に応じて無料相談や費用の立替の制度があります。法テラス
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811 貸金業者に関する相談や多重債務の相談を受け付けています。金融庁(貸金業関係)
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051-051 貸金業に関する苦情・相談や、家計の見直しの相談に対応しています。
- 市区町村の福祉窓口・社会福祉協議会:生活費や住まいの困りごと、公的な貸付・給付の相談先です。自立相談支援機関の案内もここで受けられます。厚生労働省(生活困窮者自立支援制度)
まとめ
審査に通らなかった場合は、次の申込みに進む前に立ち止まってください。理由は開示されませんが、信用情報の開示制度でご自身の状況を確認できます。そのうえで、支出を減らす制度、支払いの猶予に関する相談、生活福祉資金貸付制度や自立相談支援機関といった公的な選択肢を確認してください。返済がすでに困難な場合は、債務整理の相談も含めて条件を組み直す段階にある可能性があります。「審査なし」をうたう相手と取引しないことが、立て直しの前提です。制度の要件や金額は各制度の公式情報でご確認ください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は、公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報で確認し、確認日を記載しています
- 確認できなかった情報は「確認できず」と記載し、推測による断定は行いません
- 特定のサービスの利用を勧めることはせず、リスクと公的な相談先をあわせて掲載しています


