国民健康保険・国民年金が払えないとどうなる?軽減・免除・猶予制度【2026年7月】
国保・国民年金を滞納すると差押えのリスクがありますが、所得に応じた軽減・減免、年金の免除・納付猶予・学生特例が使えます。保険証廃止後の扱いも含め公式情報で解説します。

国民健康保険(国保)・国民年金が払えないときは、放置せず軽減・免除・猶予の制度を使うことが大切です。特に年金は「未納」と「免除・猶予」で将来の扱いが大きく変わります。
国民健康保険を滞納すると
滞納すると督促・催告を経て、放置すれば財産の差押え(滞納処分)に至る可能性があります。2024年12月に紙の保険証は新規発行が停止され、マイナ保険証を持たない人には「資格確認書」が交付される仕組みに移行しました。長期滞納者は特別療養費(いったん全額負担し後日払い戻し)の扱いになる場合があります。出典:厚生労働省
国保の軽減・減免:世帯所得が基準未満なら均等割等が7割・5割・2割軽減されます(原則自動判定・所得申告が前提)。災害・失業・所得の著しい減少による減免、非自発的失業者の軽減もあります。申請先は市区町村の国保窓口です。
国民年金は「未納」より「免除・猶予」を
年金保険料の未納を放置すると、最終催告状→督促状→差押えに進むことがあり、未納期間は将来の年金額に反映されず、障害・遺族年金の要件を満たせないリスクもあります。一方、所得が基準以下なら免除・納付猶予・学生納付特例が使え、これらの期間は受給資格期間に算入され、障害・遺族年金の要件上も有利です。
- 全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 以下 など所得基準あり
- 納付猶予(20歳以上50歳未満)/学生納付特例:本人(と配偶者)の所得基準以下
- 申請先:市区町村の国民年金窓口または年金事務所(郵送可)。追納は承認から10年以内なら可能
年金は「払えないから未納のまま」にせず、必ず免除・猶予の申請を。未納と違い、将来の年金や障害年金の要件で不利になりません。
まず相談したい公的な窓口
- 自立相談支援機関:家計・仕事・住まいの総合相談窓口(生活困窮者自立支援制度)。厚生労働省
- 消費者ホットライン「188」:契約トラブル等は局番なしの188へ。消費者庁
- 法テラス:借金・法的トラブルの無料相談・費用立替。日本司法支援センター
- 公的な貸付・給付:あわせて急にお金が必要なとき国・自治体から借りる・もらう方法もご覧ください。
手続きの流れをステップで整理
国保と国民年金では申請先や流れが少し異なります。全体像をつかんでおくと迷わず動けます。
国民健康保険の軽減・減免
- 所得の申告を済ませる:7割・5割・2割の軽減は所得申告を前提とした自動判定です。収入がなくても未申告のままだと判定されないことがあります。
- 市区町村の国保窓口に相談:失業・災害・所得の大幅な減少があった場合は、自動の軽減とは別に、申請による減免の対象になる可能性があります。
- 払いきれない分は納付計画を相談:一括で納められない場合も放置せず、分割などの納付方法を窓口で相談します。
国民年金の免除・納付猶予
- 申請書を入手する:市区町村の国民年金窓口や年金事務所で受け取れるほか、郵送でも手続きできます。
- どの制度に当たるか確認する:年齢や学生かどうか、本人・世帯の所得状況によって、全額免除・一部免除・納付猶予・学生納付特例のどれが使えるかが変わります。
- 審査結果を確認する:承認・却下の結果は通知で届きます。承認されれば、その期間は未納と違って受給資格期間に算入されます。却下の場合も、事情が変われば改めて相談できます。
- 余裕ができたら追納を検討する:承認から10年以内であれば追納が可能です。
具体的な基準額や必要書類は年度・自治体・保険者により異なるため、必ず市区町村の窓口や年金事務所で最新の取り扱いを確認してください。
対象になるか迷うケースの考え方
「自分は対象外だろう」と思い込んで申請しないのが、最ももったいないパターンです。迷ったら次のように整理してみてください。
- 働いているから無理?:軽減・免除は「無収入であること」が条件ではなく、所得基準との比較で判定されます。収入があっても基準以下なら対象になり得ます。
- 過去の分はもう手遅れ?:年金の免除・猶予は、過去の期間についてさかのぼって申請できる場合があります。どこまで対象になるかは年金事務所で確認しましょう。
- 世帯主や配偶者に収入がある:制度によって、本人の所得だけで見るものと世帯の所得で見るものが分かれます。自己判断で諦めず、窓口で判定してもらうのが確実です。
- 失業などで急に収入が減った:通常の基準とは別に、事情に応じた特例的な取り扱いが用意されていることがあります。相談時に事情を具体的に伝えましょう。
- 学生である:国民年金には学生納付特例という専用の仕組みがあります。対象となる学校かどうかを含め、年金事務所や学校の窓口で確認してください。
つまずきやすいポイント・注意点
- 「未納のまま」が最も不利:年金は未納と免除・猶予とで将来の扱いがまったく違います。免除・猶予なら受給資格期間に算入され、障害年金・遺族年金の要件の面でも不利になりません。
- 所得の申告漏れ:国保の軽減は所得申告が前提です。収入がゼロの年でも申告しておくことが大切です。
- 毎年度の手続きが必要な場合がある:免除・猶予は承認内容によって継続の扱いが異なります。承認通知に書かれた期間と更新の要否を確認しましょう。
- 督促が来ても相談はできる:督促状が届いた段階でも窓口相談は可能です。連絡を絶ってしまうと、差押えなどの滞納処分に進むリスクが高まります。
- 承認されても過去の滞納分が自動で消えるわけではない:免除・軽減の対象期間と、すでに発生している滞納分の扱いは別の話になることがあります。どの期間が対象になるかを窓口で確認しましょう。
関連制度との使い分け
保険料の窓口だけで完結しないケースも多いため、状況に応じて次のように窓口を使い分けましょう。
- 国保と年金は窓口が別:どちらも市区町村役場で手続きできますが担当課が分かれていることが多く、年金は年金事務所でも手続きできます。両方が苦しい場合は、それぞれの窓口で手続きが必要です。
- 生活全体が苦しいとき:保険料だけの問題ではなく収入自体が足りない場合は、自立相談支援機関で家計・仕事を含めた立て直しを相談できます。
- 当面の生活費に困っているとき:公的な貸付・給付の選択肢を急にお金が必要なとき国・自治体から借りる・もらう方法で整理しています。あわせてご覧ください。
- 保険料以外の支払いも滞っているとき:税金など他の支払いにも、それぞれの窓口で分割納付などの相談ができます。優先順位を一人で判断せず、各窓口に早めに事情を伝えることが立て直しの第一歩です。
よくある質問
Q. 免除を受けると将来の年金はゼロになりますか?
A. なりません。免除が承認された期間は受給資格期間に算入され、年金額への反映のされ方は免除の種類によって異なります。詳しくは年金事務所で確認してください。
Q. 滞納すると保険証はどうなりますか?
A. 2024年12月に紙の保険証の新規発行は停止され、マイナ保険証を持たない人には資格確認書が交付される仕組みに移行しています。長期滞納の場合は特別療養費(いったん全額負担し後日払い戻し)の扱いになる場合があるため、そうなる前に窓口へ相談してください。
Q. 追納はいつまでできますか?
A. 免除・猶予の承認から10年以内です。納め方の順序などのルールがあるため、年金事務所で確認しましょう。
Q. 相談に行くとき何を持っていけばよいですか?
A. 本人確認書類や所得のわかる書類が求められるのが一般的ですが、必要書類は自治体や手続きの種類により異なります。事前に電話や公式サイトで確認しておくとスムーズです。
まとめ
国保・年金は、払えないときこそ軽減・免除・猶予の制度を使うことが重要です。放置は差押えや将来の年金減につながります。早めに市区町村・年金事務所の窓口へ相談しましょう。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報を確認し、確認日を明記します
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