マネーガイドジャーナル

携帯端末の分割代金を滞納したら|信用情報への登録と残債の扱い

スマホの端末代金の分割払いは通信料とは別の割賦契約で、ドコモ・au・ソフトバンクは支払遅延を信用情報機関に登録すると明記しています。残りの分割金を一括請求するには20日以上の書面催告が必要(割賦販売法)なこと、解約しても残債は残ることを、CIC・各社公式・e-Gov(2026年11月1日確認)で整理します。

携帯端末の分割代金を滞納したら|信用情報への登録と残債の扱い

スマートフォンの端末代金を分割で払っている場合、その分割払いは通信料とは別の「割賦契約」です。支払いが遅れると、ドコモ・au・ソフトバンクは、遅延の事実を信用情報機関に登録すると契約書面や公式ページで明記しています。一方で割賦販売法は、事業者が残りの分割金を一括で請求するには、20日以上の期間を定めた書面での催告を経なければならないと定めています。本記事では、CIC・e-Gov法令検索・各社の公式ページ(いずれも2026年11月1日確認)をもとに、端末代金を滞納した場合に起きることと、残債の扱いを整理します。

結論

  • 信用情報への影響:端末の分割払いはCICに記録され、入金状況は24か月分表示されます。返済日から61日以上または3か月以上の遅延は「異動」として扱われます。
  • 一括請求までの手順:割賦販売法により、20日以上の相当な期間を定めて書面で催告し、その期間内に支払わなかった場合でなければ、残りの分割金を一括で請求できません。
  • 解約しても残債は残る:ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルとも、回線を解約しても端末の分割金の請求は続くと案内しています。
  • まずすること:請求書や会員ページで、遅れているのが通信料か端末代金かを分けて確認し、支払期限と金額を把握します。

通信料と端末代金は別の契約

携帯会社に毎月払っている金額には、通常、通信料(回線の利用料金)と端末代金の分割金が含まれています。端末代金の分割払いは、各社と結ぶ割賦契約です。

会社端末分割の契約形態(公式の表記)信用情報機関への登録についての記載
ドコモ分割払い契約(個別信用購入あっせん契約/割賦販売契約)期日までに分割支払金を支払わない場合、加盟信用情報機関に遅延の事実が登録される
au(KDDI)個品割賦販売契約支払延滞情報は完済から5年間、指定信用情報機関に記録が残る
ソフトバンク割賦購入契約、または個別信用購入あっせん契約支払遅延情報は完済後も5年間、信用情報機関に記録が残る
楽天モバイルクレジットカード会社の分割払いを利用楽天モバイルの公式ページでは確認できず(カード会社との契約による)

ドコモとソフトバンクは、信用情報に登録されるのは支払名義人ではなく契約者本人の情報であると案内しています。家族がお金を払っている場合でも、契約者本人の記録になります。

出典:機種を分割払いで購入する(NTTドコモ)/個品割賦販売契約(分割払い)にあたって(KDDI・PDF)/割賦購入契約について(ソフトバンク・PDF)/個別信用購入あっせん契約について(ソフトバンク・PDF)/解約後のご請求について(楽天モバイル)(いずれも2026年11月1日確認)

通信料が払えない場合に回線が止まる流れは携帯代が払えないとどうなる?で解説しています。本記事では端末代金の側を扱います。

信用情報にどう記録されるか(CICの説明)

CICは、「スマートフォンを分割払いで購入するとき、カード会社や携帯電話会社は、皆さまの信用情報を確認しています」と説明しています。CICが保有する情報には、割賦販売法の対象となる商品の支払状況(割賦残債額、年間請求予定額、遅延の有無など)が含まれます。

  • 入金状況:開示報告書には、最新から過去24か月分の入金状況が記号で表示されます。「$」は請求どおりの入金、「A」は本人の事情で約束の日に入金がなかったことを表します。
  • 異動:CICの開示報告書の説明では、「返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」が異動とされています。
  • 保有期間:CICは、クレジット情報を「契約期間中および契約終了から5年間」保有するとしています。
  • 「ブラックリスト」という名称のリストはない:CICは、支払いの遅れは「客観的な取引事実」として登録されると説明しています。審査はCICではなく各社が行うため、CICは否決の理由には答えられないとしています。

出典:初めての方へ(CIC)/CICが保有する信用情報(CIC)/開示報告書の入金状況に表示される記号(CIC)/信用情報開示報告書 表示項目の説明(CIC・PDF)/信用情報の登録期間(CIC)/支払いが遅れるとブラックリストとして登録されますか(CIC)/携帯電話の分割払い審査で否決された理由(CIC)(いずれも2026年11月1日確認)

保有期間の表現は、CICが「契約終了から5年間」、au・ソフトバンクが「完済から(完済後も)5年間」としています。いずれにしても、遅れた記録は払い終えた後もしばらく残ります。信用情報に遅延が残ると、次の端末の分割購入やクレジットカード・ローンの審査で不利に働くことがあります。信用情報の基礎はサブスクの未払いはブラックリストに載る?でも解説しています。

残りの分割金を一括請求されるまで(割賦販売法の決まり)

割賦販売法は、分割払いの途中で支払いが遅れた場合に事業者ができることを制限しています。

  • 20日以上の書面催告が必要:個別信用購入あっせんについて、同法35条の3の17は、20日以上の相当な期間を定めて書面で支払いを催告し、その期間内に支払われないときでなければ、契約を解除したり、まだ支払時期が来ていない分割金の支払いを請求したりできないと定めています。これに反する特約は無効です(同条2項)。割賦販売にも同じ趣旨の規定(同法5条)があります。
  • 請求できる額の上限:同法35条の3の18は、契約を解除しない場合に請求できる額を、支払総額から既に支払った分を差し引いた額に、法定利率による遅延損害金を加えた額までと制限しています。割賦販売には同法6条に同じ趣旨の規定があります。
  • 支払能力の調査:同法35条の3の3は、個別信用購入あっせんの契約前に、年収や他の債務の状況などを調査し、指定信用情報機関の情報を使わなければならないと定めています。

auの個品割賦販売契約約款も、20日以上の相当な期間を定めた書面の催告にもかかわらず支払わなかったときに分割払いの利益を失うと定め、その後は残金全額に法定利率を乗じた遅延損害金がかかるとしています。ソフトバンクの契約書面も、20日以上の期間を定めた書面での催告を記載しています。

出典:割賦販売法5条・6条・35条の3の3・35条の3の17・35条の3の18(e-Gov法令検索)/個品割賦販売契約約款(KDDI・PDF)(いずれも2026年11月1日確認)

書面で催告が届いたら、それは一括請求の前段階です。記載された期限までに支払えない場合は、期限が来る前に契約先に連絡してください。

解約・乗り換えをしても残債は消えない

  • ドコモ:解約時に分割支払金の残額がある場合は「引き続きお支払いいただきます」。残額を一括で支払って精算することもできます。
  • au:分割支払金の残額は「一括精算または解約後も分割でお支払いいただく必要があります」。
  • ソフトバンク:分割支払金が残っている場合は「引き続きお支払いいただく必要があります」。一括払いの手続をしない場合は分割での請求が続きます。
  • 楽天モバイル:製品の分割請求が残っている場合、解約後も請求は続きます。分割払いはクレジットカード会社のものです。

出典:携帯電話の解約お手続き方法(NTTドコモ)/解約(au)/解約時に発生する費用・注意事項(ソフトバンク)/機種代金の残金を一括で支払う(ソフトバンク)/解約後のご請求について(楽天モバイル)(いずれも2026年11月1日確認)

料金の安い会社へ乗り換えても、元の会社への端末代金の支払いは続くため、乗り換え直後は二重の支払いになることがあります。乗り換えで毎月の負担が実際に下がるかは、残債を含めて計算してください。

通信料の不払い情報の交換(TCA)との違い

電気通信事業者協会(TCA)は、携帯各社の間で、契約解除後(任意解約を含む)に料金不払いのある人の情報を交換し、加入審査に活用していると案内しています。交換される期間は契約解除後5年以内で、完済すると対象から外れます。TCAのページは「料金不払い」について説明しており、端末の分割代金が対象に含まれるかどうかは記載されていません。信用情報機関(CIC)への登録とは別の仕組みです。

出典:不払者情報の交換(電気通信事業者協会)(2026年11月1日確認)

滞納しそうなときの対応

  1. 遅れている項目を分ける:請求書や会員ページで、通信料と端末の分割金のどちらが、いくら、いつから遅れているかを確認します。
  2. 支払期限を確認する:ソフトバンクは、期限を過ぎた料金について「支払期限日」までに支払えば利用停止にはならないと案内しています。期限は会社と請求ごとに異なるため、通知に書かれた日付を確認します。
  3. 回線を見直す:通信料を下げるために料金プランを変える場合、端末の分割金はそのまま残ることを前提に考えます。
  4. 自分の記録を確認する:遅延が記録されているか気になる場合は、CICに開示請求できます。インターネット開示の手数料は500円、郵送開示は1,500円です。
  5. ほかの支払いも重なっている場合:家計全体の相談先に早めにつなぎます(下の相談先を参照)。

出典:支払い期限を過ぎた携帯電話料金を支払う(ソフトバンク)/インターネット開示の手数料(CIC)/郵送で開示する(CIC)(いずれも2026年11月1日確認)

端末を売って現金にする前に

分割払い中の端末を売却して現金を作る方法は、残債が残ったまま端末だけを手放すことになり、支払いの負担は軽くなりません。また、分割払いで購入した端末やキャリア決済を使った現金化をうたう業者には注意が必要です。仕組みとリスクはキャリア決済の現金化で解説しています。

よくある質問

1日でも遅れたら信用情報に傷がつきますか

CICの入金状況には、約束の日に入金がなかった月が「A」などの記号で表示されます。「異動」として扱われるのは、返済日から61日以上または3か月以上の遅延がある場合です。記録のされ方は契約先が登録する内容によるため、気になる場合は開示請求で確認してください。

家族名義の契約でも本人に影響しますか

ドコモとソフトバンクは、信用情報に登録されるのは支払名義人ではなく契約者本人の情報だと案内しています。契約者が誰かを確認してください。

自己破産すると端末代金はどうなりますか

債務整理の手続によって扱いが異なります。債務整理と信用情報の関係は債務整理と信用情報で解説しています。個別の判断は法テラス等でご相談ください。

相談先

本記事は、法令と信用情報機関・各社が公開している情報をもとに一般的な仕組みを整理したもので、法的な助言ではありません。契約の形態や請求の扱いは、契約した時期・会社・プランによって異なります。2026年11月1日に確認した内容をもとにしています。最新の内容は契約先の公式窓口でご確認ください。

この記事の執筆者

マネーガイドジャーナル編集部のプロフィールイラスト

マネーガイドジャーナル編集部

金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。

  • 掲載情報は、公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報で確認し、確認日を記載しています
  • 確認できなかった情報は「確認できず」と記載し、推測による断定は行いません
  • 特定のサービスの利用を勧めることはせず、リスクと公的な相談先をあわせて掲載しています

運営者情報|記事制作ポリシー|検証の方法

RELATED ARTICLE関連記事

NEW

家賃が払えない場合の対応|強制退去までの流れと住居確保給付金

家賃を滞納しても、直ちに退去を求められるわけではありません。督促から契約解除・明け渡しまでの一般的な流れと期間の目安、返済不要の住居確保給付金や相談窓口を、公式情報をもとにまとめました。

記事を読む ›
NEW

家賃保証会社から督促が来たら|立替後の請求と「追い出し」行為の限界

家賃保証会社からの督促は、家主に立て替えた家賃の請求(求償)です。一方、鍵の付け替えによる締め出しや無断の家財処分は自力救済として違法と国土交通省は説明し、最高裁は令和4年12月12日、いわゆる追い出し条項を消費者契約法10条に当たると判断しました。登録業者の確かめ方と相談先も整理します(2026年11月1日確認)。

記事を読む ›
NEW

電気代の滞納は何ヶ月で止まる?検針日から約50日が目安|停止前の相談と再開手続き

電気代を滞納すると、大手電力の規制料金では支払期日(検針日の翌日から30日目)の翌日から20日を過ぎると、予告のうえ送電停止となる場合があります。検針日からおおむね50日(2か月弱)が目安です。停止前の相談先と、止まった電気を戻す手続きを電力会社の公式情報でまとめました。

記事を読む ›
NEW

軽自動車税を滞納すると車検は受けられない?納税確認の仕組みと減免・猶予の相談先

軽自動車税に滞納があると、継続検査(車検)で納税の確認ができず車検証が返付されません(道路運送車両法97条の2)。軽JNKSによる電子確認と紙の納税証明書が必要な場面、督促・延滞金・差押えの流れ、減免と猶予の相談先を、軽自動車検査協会・総務省・自治体の案内(2026年11月1日確認)で解説します。

記事を読む ›

CATEGORY

状況別に記事を探す

支払いが困難な場合

家賃・光熱費・税金・奨学金などの支払いが難しい場合の対処

借金を整理する

任意整理・個人再生・自己破産などの基礎知識

税金・家計を見直す

還付・控除・固定費の見直しによる手元資金の確保

業者検証データベース

先払い買取・後払いアプリ現金化の業者が公開している情報の検証