退職後の国民健康保険・年金を安くする方法|会社都合の軽減と失業特例免除【2026年7月】
退職して収入が減ると、国民健康保険料や国民年金保険料の負担が重くなります。倒産・解雇などの会社都合離職には国保料の軽減(前年給与所得を30/100とみなす)、年金には失業特例の免除があります。対象と申請先を解説します。

退職後は国民健康保険と国民年金に自分で加入することになり、収入が減っているのに負担が重くなりがちです。ただし、離職理由によっては軽減・免除が使えます。
国民健康保険料の軽減(非自発的失業者)
倒産・解雇などの会社都合(特定受給資格者)や雇止め等(特定理由離職者)で離職時65歳未満の人は、前年の給与所得を「100分の30」とみなして国保料を計算する軽減を受けられます。期間は離職日翌日の属する月から翌年度末(3月)まで。雇用保険受給資格者証の離職理由コードで判定され、市区町村への申請が必要です(自動では適用されません)。出典:厚生労働省(非自発的失業者の国保軽減)
国民年金保険料の免除・納付猶予
失業した場合は「失業特例」で、離職者本人の前年所得を除外して審査してもらえます(離職票や雇用保険受給資格者証が必要)。全額免除なら将来の老齢基礎年金に2分の1が反映されます。納付猶予は年金額に反映されませんが、受給資格期間には算入されます。承認された期間は10年以内なら追納できます。
申請先は市区町村の国民年金窓口または年金事務所(マイナポータルの電子申請も可)。出典:日本年金機構(免除・納付猶予)
退職後の手続きの流れ(ステップで整理)
退職直後は手続きが集中します。軽減・免除を漏らさないための流れを整理します。
- ステップ1:書類を揃える——離職票・雇用保険受給資格者証(離職理由コードが分かるもの)・本人確認書類・マイナンバーが分かるものを手元に用意します。
- ステップ2:健康保険の加入方法を決める——国民健康保険に入るか、それまでの健康保険の任意継続を選ぶかで負担が変わります。どちらが有利かは人によるため、市区町村の国保窓口と協会けんぽ(または健保組合)の両方で見積もりを確認するのが確実です。
- ステップ3:国保の軽減を申請する——会社都合等の離職なら、加入手続きとあわせて市区町村窓口で非自発的失業者の軽減を申請します。自動では適用されません。
- ステップ4:年金の免除・猶予を申請する——市区町村の国民年金窓口または年金事務所で、失業特例による免除・納付猶予を申請します。マイナポータルの電子申請を使えば窓口に行かずに手続きできる場合もあります。
手続きの期限や必要書類は自治体によって案内が異なることがあります。退職前に会社から受け取る書類(離職票など)の交付が遅れることもあるため、書類が揃っていない段階でも、まず窓口に電話して「何をいつまでに出せばよいか」を確認しておくと安心です。健康保険の資格喪失日をまたいで無保険の期間ができないよう、加入手続き自体は先に進めておきましょう。
対象になるか迷うケースの考え方
- 自己都合で辞めた場合——国保の軽減は離職理由コードで判定されます。自分が対象かどうかはコードを基に市区町村窓口で確認しましょう。対象外でも、所得に応じた法定軽減や個別の減免が使える場合があります。
- 年金の免除は所得審査がある——失業特例では離職者本人の前年所得を除外して審査されますが、世帯の他の人の所得も審査対象になります。家族に所得がある場合に承認されるかは、窓口での確認が必要です。
- すでに保険料を納付書で払い始めてしまった場合——遡って適用できる範囲は制度と申請時期によります。諦める前に窓口で相談しましょう。
- 配偶者の扶養に入れる可能性がある場合——配偶者が会社の健康保険・厚生年金に加入しているなら、被扶養者・第3号被保険者になれるかどうかで負担が大きく変わります。要件は配偶者の勤務先の保険者が判断するため、まず勤務先経由で確認してもらいましょう。
つまずきやすい注意点
最大の落とし穴は「払えないから」と何もせず未納のままにすることです。未納は将来の年金額にも障害・遺族年金の受給資格にも不利に働きますが、承認された免除・猶予期間は受給資格期間に算入されます。「未納」と「免除・猶予」はまったく別物です。
- 国保の軽減と年金の免除は窓口も申請も別です。片方だけ手続きして満足しないようにしましょう。
- 免除が承認されても、将来に備えて余裕ができたら追納を検討しましょう。追納できる期間には限りがあります(詳細は年金事務所へ)。
- 保険料率や軽減の細部は年度・自治体により異なります。具体的な金額は必ず市区町村・年金事務所で試算してもらいましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1.手続きはいつまでに行けばいいですか?
A.退職後はできるだけ早く手続きするのが原則です。申請が遅れると軽減・免除を受けられる期間に影響する場合があるため、期限の扱いは市区町村・年金事務所で確認してください。
Q2.失業手当をもらっていても、免除は申請できますか?
A.失業手当の受給と年金の免除申請は別の制度です。雇用保険受給資格者証は失業特例の確認書類としても使われます。受給状況を伝えたうえで、年金窓口で審査の扱いを確認しましょう。免除の審査は年度単位で行われるため、失業状態が続く場合は翌年度に改めて申請が必要になる点にも注意してください。
Q3.保険料が軽減されても払えないときは?
A.分割納付や納付相談の仕組みがあります。放置して滞納にせず、国保・年金が払えないときの記事を参考に、早めに窓口へ相談してください。
Q4.平日に窓口へ行く時間が取れません。
A.年金の免除・納付猶予はマイナポータルの電子申請が使える場合があり、国保の手続きも自治体によっては郵送で受け付けています。まず電話で「窓口に行かずに済む方法があるか」を確認してみてください。
Q5.軽減・免除の期間が終わった後はどうなりますか?
A.対象期間が終われば通常の保険料に戻ります。その時点でも納付が難しい場合は、放置せず改めて窓口に相談してください。状況に応じた納付の相談ができます。
相談前に整理しておくメモの作り方
退職後の手続きは「国保は市区町村」「年金は年金事務所」と窓口が分かれ、同じ説明を何度も繰り返すことになりがちです。次の項目を1枚のメモにまとめておくと、どの窓口でもそのまま使えます。
- 退職の基本情報:退職日、離職理由(会社都合か自己都合か)、離職票・雇用保険受給資格者証が手元にあるかどうか。
- 世帯の状況:同居家族と、それぞれの収入の有無。年金の免除は世帯の所得も審査に関わるため、先に把握しておくと話が早く進みます。
- 手続きの進み具合:国保の加入、軽減の申請、年金の免除申請のうち、どこまで済んでいるか。
- 聞きたいことリスト:「軽減はいつから反映されるか」「追納はどう進めるか」など、疑問を箇条書きにしておきます。
窓口で受けた回答は、日付と窓口名をつけてメモの余白に書き足していくと、手続きの抜け漏れの確認にもそのまま使えます。書類がそろっていない段階でも、このメモを見ながら電話で相談すれば、必要な準備を具体的に教えてもらえます。
まとめ
会社都合の離職なら国保料は前年給与所得を30/100とみなす軽減、年金は失業特例の免除が使えます。どちらも申請が必要なので、退職したら早めに市区町村・年金事務所へ相談しましょう。
あわせて確認したいこと
- まず確認:今すぐお金が必要なときにまず確認したいこと/公的な貸付・給付
- 滞納で困る前に:家賃が払えないとき/国保・年金が払えないとき
- 現金化・ヤミ金・個人間融資に頼る前に、使える公的給付がないか確認しましょう
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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