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車や持ち家があると生活保護は受けられない?原則と例外の考え方

車や持ち家があっても生活保護を受けられないとは限りません。資産活用の原則と、通院用の車や居住中の持ち家など保有が認められる例外の考え方を整理します。

車や持ち家があると生活保護は受けられない?原則と例外の考え方

「車を持っていると生活保護は受けられない」「持ち家があるなら売らないとだめ」——よく耳にする話ですが、実際の取り扱いは原則と例外の組み合わせで判断されており、一律に「持っていたら受けられない」わけではありません。この記事では、生活保護における車・持ち家などの資産の考え方を整理します。申請の流れと合わせてお読みください。

大前提:資産は「活用してから」という原則

生活保護には、利用できる資産・能力その他あらゆるものを活用することが前提という考え方(補足性の原理)があります。売却してお金に換えられる資産があれば、まずそれを生活費に充てることが求められるのが原則です。

ただし、ここでいう「活用」には売却して現金化することだけでなく、そのまま使い続けることが生活の維持や自立に役立つ場合には保有を認めるという考え方も含まれています。だからこそ、車や持ち家の扱いは「原則」と「例外」の両面から見る必要があるのです。

車の扱い——原則は処分、ただし例外があります

自動車は維持費がかかる資産であり、原則として処分を求められる取り扱いが一般的です。しかし、次のような事情がある場合には、保有が認められることがあるとされています。

  • 障害のある方の通院・通学・通勤に必要な場合——公共交通機関の利用が難しい事情があるケースなど
  • 公共交通機関が乏しい地域で、通勤や通院に車が欠かせない場合
  • 事業(自営業など)の継続に必要な場合——事業用の車両として使っているケース
  • おおむね6か月以内に就労などによる自立が見込まれ、その際に車が必要となる場合など、処分を保留する取り扱いがなされることがあります

逆に、レジャー目的の保有や、維持費が生活を圧迫するような高価な車については、保有が認められにくい傾向があります。どのケースに当たるかは個別の事情によって判断が分かれるため、「車があるから無理だ」と自己判断せず、事情を具体的に伝えたうえで福祉事務所に確認することが大切です。

ローンが残っている車はどうなる?

自動車ローンが残っている場合、保護費からローンを返済し続けることは原則として認められにくいとされています。売却してもローンが残るケースや、所有権がローン会社に留保されているケースなど、状況によって取り扱いが変わるため、契約内容が分かる書類を持って相談するとよいでしょう。車のローンの返済自体に行き詰まっている場合は、車のローンが払えないときの対処法も参考にしてください。

持ち家の扱い——住み続けられる場合があります

持ち家についても「売却しなければ申請できない」と思われがちですが、実際には現に住んでいる家は、保有が認められる場合があるとされています。住まいは生活の基盤であり、売却してしまうと今度は住居費がかかるため、処分することがかえって合理的でないケースがあるからです。

保有が認められにくいケース

一方で、次のような場合には売却などの活用を求められることがあります。

  • 資産価値が高く、売却すれば当面の生活を十分に維持できると判断される場合
  • 住んでいない不動産(空き家・遊休地など)を所有している場合
  • 住宅ローンが残っている場合——保護費がローン返済に充てられる形になることは原則として認められにくいとされています

住宅ローンの返済自体が苦しくなっている場合は、生活保護の前に金融機関への返済条件の見直し相談や任意売却などの選択肢を検討する余地があります。住宅ローンが払えないときの対処法も併せてご覧ください。

高齢者世帯には「不動産担保型」の貸付制度もあります

一定の高齢者世帯については、自宅に住み続けながらその不動産を担保に生活資金の貸付を受ける不動産担保型生活資金(いわゆるリバースモーゲージ型の貸付)の活用を先に検討する取り扱いがあります。この貸付は社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度の一つです。対象となる不動産の条件などは個別の確認が必要です。

預貯金・保険・その他の資産はどう見られる?

車と持ち家以外の主な資産の考え方も整理しておきます。

資産の種類基本的な考え方
預貯金・手持ち金生活費に充てることが前提。一定程度を超える分は活用を求められます
生命保険解約返戻金の額や保障内容によって、解約を求められる場合と継続が認められる場合があります
貴金属・骨とう品など処分価値のあるものは原則として売却による活用を求められます
生活用品(家電・家具など)通常の生活に必要なものは保有できます

いずれも金額の線引きや判断は世帯の状況や自治体の運用によって異なるため、この表はあくまで大枠の考え方として捉えてください。生命保険については、解約すると再加入が難しい持病のある方の医療保障など、解約が本人の不利益になり得る事情も考慮されることがあります。気になる契約がある場合は、証券を持参して個別に確認するのが確実です。

申請前に慌てて資産を動かさないでください

「申請の前に預金を家族に移しておこう」「車を親族名義に変えておこう」といった対応は避けるべきです。調査では金融機関への照会などが行われるため、直前の不自然な資産の移動は把握され得ますし、事実と異なる申告は不正受給として保護費の返還や罰則の対象になり得ます。資産の扱いに不安があるなら、隠すのではなく、ありのままを窓口に伝えて取り扱いを確認するのが結果的に最も安全です。

自己判断で諦めないことが何より大切です

ここまで見てきたとおり、資産に関する取り扱いには例外や個別判断の余地が多く残されています。窓口での事前相談の段階で「車があるなら難しい」といった一般論を聞いて帰ってしまうと、あなたの個別事情が検討されないまま終わってしまいます。申請すれば、事情を踏まえた正式な調査と判断が行われ、結果は書面で通知されます。納得できる形で結論を得るためにも、申請の意思をはっきり伝えることが重要です。

車や持ち家の扱いは、生活保護の相談の中でも特に「思い込みで諦めてしまいやすい」論点です。実際には、通院に車が必要な事情や、住み続けたほうが合理的な持ち家など、例外に当たる可能性のあるケースは決して珍しくありません。窓口で事情を説明しても納得のいく説明が得られない場合は、決定に対する審査請求という手続きもありますし、法テラス(サポートダイヤル 0570-078374)で法律面の相談をする方法もあります。法テラスの使い方も参考にしてください。

相談に行く際は、車検証や不動産の登記事項証明書、保険証券、通帳など、資産の内容が客観的に分かる書類を持参すると話が具体的に進みます。手元にそろっていなくても相談は始められますので、まずは窓口に足を運ぶことを優先してください。

まとめ:原則と例外を知って、窓口に事情を伝えましょう

生活保護における資産の扱いは、「活用が原則、ただし生活や自立に必要なものは例外的に保有できる場合がある」という構造で判断されます。車は通勤・通院・障害・地域事情など、持ち家は現に居住していることなどが例外の入口になります。判断は個別の事情に大きく左右されるため、「持っているから無理」と決めつけず、福祉事務所や自立相談支援機関に具体的な事情を伝えて相談してみてください。生活に困っている状態を放置するほど、選べる手段は少なくなっていきます。資産があることを理由に立ち止まるのではなく、資産も含めた生活全体をどう立て直すかという視点で、早めに専門の窓口を頼ることが大切です。

出典:厚生労働省(生活保護制度)

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マネーガイドジャーナル編集部

金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。

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