高齢者でお金がない場合に利用できる制度と相談先|年金・高額療養費・生活福祉資金
高齢でお金がない場合には、年金・高額療養費制度・生活福祉資金・生活保護など、利用できる制度があります。持ち家がある場合の選択肢や、危険な借入に頼らない方法を解説します。

年金だけでは生活費が不足する場合や、医療費の負担が大きい場合も、危険なヤミ金や担保融資を利用する前に、高齢者が利用できる制度をご確認ください。
利用できる制度・支援
- 高額療養費制度:医療費が自己負担限度額を超えたとき、超過分が払い戻される制度です。窓口は加入している健康保険です。
- 生活福祉資金貸付(社会福祉協議会):低所得世帯・高齢者世帯向けの低利・無利子の貸付です(公的な貸付・給付参照)。
- 生活保護:収入が最低生活費を下回る場合の最終的なセーフティネットです。窓口は福祉事務所です。
- 年金の相談:受給漏れ・繰下げ等については年金事務所にご相談ください。
持ち家がある場合、リバースモーゲージ(自宅を担保に生活資金を借り、亡くなった後に清算)等の選択肢もありますが、担保割れや相続への影響などの注意点があります。契約前に金融機関・専門家に十分確認してください。
共通の相談先と利用できる制度
- 最初の相談先:お住まいの自立相談支援機関(家計・生活の総合窓口)/消費者ホットライン「188」
- 公的な貸付・給付:急にお金が必要なとき国・自治体から借りる・もらう方法
- 今すぐ必要な場合:最初の確認事項/借金の返済が困難な場合:債務整理の概要
※現金化・ヤミ金・個人間融資は違法・規約違反のリスクが高いため、利用は避けてください。
高齢者が最初に行うべき3つの手順
- 手順1:支出の緊急度を分類する。家賃・光熱費・食費・医療費など生活維持に必要な支払いを最優先にし、保険・通信などの固定費を見直します。滞納しそうな支払いは、供給停止などの前に支払先へ相談してください。長年契約したままの保険や通信プランは、内容を見直すことで負担が軽減される場合があります。
- 手順2:受け取れるお金・軽減制度を確認する。年金の受給漏れ(加入記録の確認)、高額療養費の払い戻し、介護保険の負担軽減、自治体独自の高齢者向け助成など、申請しないと受けられないものが漏れていないか確認します。対象・金額は自治体・年度により異なるため、公式窓口でご確認ください。
- 手順3:地域包括支援センターまたは社会福祉協議会に相談する。高齢者の生活全般については地域包括支援センター、生活福祉資金については社会福祉協議会が窓口です。
重要なのは、借入の前に、払い戻しを受けられるお金や軽減できる負担を確認することです。高齢者向けには払い戻しや負担軽減の制度が多く、申請によって家計の負担が軽くなる場合があります。そのうえで、不足する分を公的貸付や生活保護で補うという順序で検討してください。この順序で検討することで、不要な借入を減らすことができます。
状況別の対処法
- 年金だけでは毎月の生活費が不足する場合:まず固定費の見直しと軽減制度の確認を行い、それでも不足する場合は社会福祉協議会の生活福祉資金、最終的には生活保護をご検討ください。年金を受け取りながら生活保護を利用できる場合もあります。
- 医療費・介護費の負担が大きい場合:高額療養費・高額介護サービス費など、自己負担の上限を超えた分が戻る制度があります。加入している健康保険・市区町村の窓口にご相談ください。
- 持ち家はあるが現金がない場合:自宅を活用した貸付は選択肢の一つですが、契約が複雑でリスクもあるため、家族や公的窓口・専門家に相談してから判断してください。毎月の返済の有無や、死亡後の清算方法は、必ず書面でご確認ください。
- 就労できる健康状態にある場合:シルバー人材センターやハローワークの高齢者向け窓口で、体力に合った仕事を探すという選択肢もあります。
- 借金の返済が残っている場合:年金収入のみでも債務整理は可能です。法テラスに相談できます。
高齢者が狙われやすい危険な勧誘
- 執拗なリースバック・自宅売却の勧誘:「自宅に住み続けながらまとまったお金」という誘い文句でも、相場より大幅に安い売却額や高い家賃で損をするトラブルが指摘されています。その場で契約せず、必ず家族・専門家にご相談ください。
- 還付金詐欺:「医療費・保険料が戻るのでATMへ」という電話は詐欺です。公的機関がATMの操作を求めることはありません。
- 「無料点検」から始まる住宅修理などの勧誘:点検をきっかけに不安をあおり、高額な契約を結ばせる手口です。その場では契約しないでください。
- 「審査なし」「年金担保」をうたう貸し手:年金を担保にした貸付は法律で禁止されています。通帳・キャッシュカード・年金証書を預かろうとする業者はヤミ金です。
契約した後でも、クーリング・オフなどにより解除できる場合があります。できるだけ早くご相談ください。
不審な電話・訪問・契約トラブルは消費者ホットライン「188」、詐欺の疑いがある場合は警察相談専用電話「#9110」にご相談ください。ご自身だけで判断せず、家族や地域包括支援センターにも共有してください。
よくある質問
Q. 年金をもらっていても生活保護は受けられますか?
A. 年金等の収入が国の定める最低生活費に満たない場合、差額分の保護を受けられる可能性があります。判定は世帯の状況によるため、福祉事務所に相談してください。年金を受給していることを理由に、相談をせずに利用を見送ることは避けてください。
Q. 持ち家があると支援は受けられませんか?
A. 制度によります。持ち家があっても利用できる支援はあり、生活保護でも自宅に住み続けられる場合があります。持ち家があることを理由に相談を見送る方が多いのですが、実際には利用できた例も少なくありません。ご自身で判断せず、窓口でご確認ください。
Q. 子どもに知られずに相談できますか?
A. 相談自体は本人だけでもできます。ただし契約や大きなお金の判断は、後のトラブル防止のため家族と共有することをおすすめします。判断に不安がある場合は、地域包括支援センターに仲介を依頼できます。
Q. 離れて暮らす親のことを、家族の側から相談できますか?
A. 相談できます。親本人が住む地域の地域包括支援センターは、家族からの相談も受け付けています。不審な契約に気づいたときは、本人を責めずにまず事実を確認し、消費者ホットライン「188」への相談を一緒に検討してください。
家族・周囲との情報共有の方法
高齢期のお金の悩みを一人で抱えていると、危険な勧誘につけ込まれやすくなります。無理のない範囲で、家族や信頼できる人と情報を共有する仕組みを作っておくことをおすすめします。
- 契約の前に相談することを決めておく:大きな契約や借入は、決める前に家族または地域包括支援センターに相談すると決めておくことで、多くのトラブルを防ぐことができます。契約を急がせる相手ほど、第三者への相談を避けようとする傾向があります。
- お金の全体像を書き残しておく:年金の受取口座、加入している保険、毎月支払いのある契約を1枚にまとめておくと、必要な際に家族が状況を把握できます。ただし、暗証番号は記載せず、通帳やカードの管理を他人に任せることは慎重に判断してください。
- 不審な電話・訪問はその日のうちに共有する:不審な電話があったことを身近な人に共有する習慣をつけることで、詐欺被害の多くを未然に防ぐことができます。
- 頼れる家族がいない場合:地域包括支援センターや民生委員に相談できます。日常のお金の管理に不安を感じた場合も、社会福祉協議会の窓口にご相談ください。
情報の共有は、ご自身の生活を守るための備えです。早い段階で仕組みを作っておくことが、将来の安心につながります。
まとめ
高齢でお金がない場合は、高額療養費・生活福祉資金・生活保護などの公的制度を利用できます。危険な担保融資・ヤミ金は避け、社会福祉協議会や福祉事務所にご相談ください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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