車担保「乗ったまま融資」のリスク|無登録・違法金利・車を失う危険性
自動車を担保に「乗ったまま融資」をうたう業者には、無登録営業・違法な高金利・車を失うなどのリスクがあります。過去に社会問題化した点も含め、公式情報をもとに解説します。

【重要】注意喚起
本記事は注意喚起です。
自動車を担保にお金を貸す「車担保融資」「自動車金融」には、車に乗り続けたまま借りられるとうたう「乗ったまま融資」もありますが、大きなリスクが指摘されてきました。
無登録営業・違法金利のリスク
業として金銭の貸付けを行うには貸金業の登録が必要で、無登録営業はヤミ金にあたり違法です。金利の上限は出資法が年20%、利息制限法が元本に応じ年15〜20%で、これを超える貸付は違法(出資法超過は刑事罰、利息制限法超過部分は無効)です。この種の業者は上限を大きく超える高金利で問題化してきたとされています。出典:貸金業法のキホン(金融庁)
車を失う・返還されないトラブル
返済が遅れると業者が車を引き上げる構造が問題視されてきました。借主の占有下にある自動車を業者が勝手に引き揚げる行為は、所有権を取得した形をとっていても窃盗罪を構成し得るとした最高裁決定(平成元年7月7日)もあります。名義・車検証を預けた結果、返済後も車が返らない・転売されるといった「金融車」トラブルも報告されています。
登録業者かどうかは金融庁の登録貸金業者情報検索で確認できます。
困ったとき・被害に遭ったときの相談先
- 消費者ホットライン「188」/警察相談専用電話「#9110」
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811
- 日本貸金業協会:0570-051-051/法テラス:0570-078374
- 合法・公的な選択肢:公的な貸付・給付/合法・正規の資金確保
広告・チラシに見られる典型的なうたい文句
車担保融資をうたう業者は、街頭のチラシ・貼り紙やSNS、検索広告などで勧誘しています。相談事例などで指摘される典型的な特徴は次のとおりです。
- 「乗ったままOK」「車があれば誰でも」:審査の甘さと手軽さだけを強調し、金利や車を失うリスクに触れない。
- 「審査なし」「ブラックOK」「他社で断られた方歓迎」:正規の審査に通らない人を対象とする文言。
- 連絡先が携帯電話番号だけ:所在地や会社名が書かれていない、または実在が確認できない。
- 貸金業登録番号の記載がない:業として貸付けを行うのに登録番号を示さないのは、それ自体が危険信号です。
こうした広告は、正規の金融機関が行わない形の勧誘であり、無登録営業や違法金利の入口になっていることが指摘されています。特に狙われやすいのは、通勤や仕事で車を手放せない人です。「車がなければ生活が立ち行かない」という事情そのものが業者側の交渉材料になり、不利な条件でも受け入れざるを得ない状況に追い込まれやすいためです。車が生活必需品である人ほど、この種の融資とは距離を置く必要があります。
契約前チェックリスト
どうしても検討する場合でも、次の点を必ず確認してください。一つでも該当する場合は、契約しないでください。
- 貸金業の登録番号がない、または金融庁の登録貸金業者情報検索で確認できない
- 貸付金額・年率・返済方法を記載した契約書面を交付しない
- 車検証の原本や名義変更、白紙の委任状・譲渡証明書の提出を求められる
- スペアキーや車庫の場所など、車を持ち去れる状態を要求される
- 利息制限法の上限(元本に応じ年15〜20%)を超える利息や、名目不明の手数料を求められる
車検証の原本や白紙の委任状は、業者が車の名義を自由に動かせる状態を作るための要求です。「形式的なものだから」「みんな出している」といった説明があっても、応じないでください。
契約済み・書類提出済みの場合の対処手順
- 追加の書類・支払いに応じない:名義変更や委任状の追加提出を求められても、その場では応じないでください。
- 記録を保全する:契約書・受け取った書面・振込記録・やり取りをすべて保存してください。提出した書類の控えやコピーがあれば、それも相談時の重要な資料になります。
- 車の引き揚げを予告された・実行された場合:警察相談専用電話「#9110」に相談してください。強引な持ち去りなど身の危険がある場合は110番に通報してください。
- 名義や車検証の取り戻し、支払義務の有無は個別事情によるため、法テラス(0570-078374)や弁護士・司法書士に速やかに相談してください。
- 業者の登録の有無や取引の相談は、日本貸金業協会(0570-051-051)・金融庁(0570-016811)・消費者ホットライン「188」が窓口です。
「相談すると車をすぐ引き上げられるのでは」という懸念から連絡をためらう方もいますが、業者と一対一で交渉を続けるほうがはるかに不利です。第三者の窓口に相談することが、車と生活を守るための現実的な第一歩です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 車を引き上げられた場合、取り戻すことはできませんか?
本文で紹介したとおり、業者による勝手な引き揚げが犯罪にあたり得るとした最高裁決定もあります。ただし、車を取り戻せるか、支払義務がどうなるかは契約内容や経緯など個別の事情によります。転売されると取り戻しは一層難しくなるため、放置せず、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談してください。
Q2. 正規のマイカーローンや銀行のローンとは何が違うのですか?
正規の金融機関・登録貸金業者は、法定金利の範囲内で、契約内容を書面で示したうえで貸し付けます。「審査なし」「乗ったまま即日」をうたい、登録の確認もできない業者とは、仕組みも安全性もまったく異なります。審査は手間に感じられますが、返済できる範囲でしか貸さないという利用者保護の仕組みでもあります。審査に通らない状態でお金が必要な場合こそ、貸し手を探すのではなく、公的支援や専門家への相談を優先してください。
Q3. 家族名義の車でも担保にできると言われた場合はどうすればよいですか?
名義人本人でない車を担保に差し入れることは、家族を巻き込む深刻なトラブルの原因になります。名義人に無断で行えば、家族との関係だけでなく法的にも大きな問題になり得ます。そのような提案をする業者は危険と判断し、取引しないでください。
車と家計の長期的な見直し
車担保融資の勧誘に応じたくなるのは、多くの場合「車は手放せないが、まとまったお金もない」という状況です。危険な業者を避けるだけでなく、車と家計の関係そのものを長い目で見直しておくことが、同じ状況を繰り返さないための備えになります。
- 車の維持にかかる負担を書き出す:燃料代・駐車場代・保険料・車検といった支出を一覧にすると、家計のどこを相談すべきかが見えやすくなります。
- 手放す場合は正規の売却を選ぶ:どうしても車をお金に換える必要がある場合は、名義や代金の扱いが明確な正規の買取・売却が原則です。「担保に入れて乗り続ける」形は、本文のとおり車も代金も失うおそれがあります。
- 家計全体の相談先を使う:自治体の生活相談窓口や消費生活センターでは、支払いの優先順位や利用できる公的支援について相談できます。
- 通勤・仕事に車が必須の場合:車を守ることを最優先に、業者と関わる前の段階で専門家や公的窓口に相談してください。
Q4. お金は必要ですが、車がないと仕事に行けません。どうすればよいですか?
そのような事情は、違法業者に付け込まれやすい点です。車を残したまま資金を用意したい場合は、まず公的な貸付・給付の対象になるかを自治体や消費生活センターで確認してください。返済に行き詰まっている場合は、弁護士・司法書士に相談してください。車を守る方法は、危険な業者から借りることではありません。
まとめ
車担保「乗ったまま融資」には、無登録・違法金利・車を失うリスクがあります。大切な車と生活を守るため、こうした業者は利用せず、公的支援や正規の相談先を頼ってください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は、公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報で確認し、確認日を記載しています
- 確認できなかった情報は「確認できず」と記載し、推測による断定は行いません
- 特定のサービスの利用を勧めることはせず、リスクと公的な相談先をあわせて掲載しています


