扶養控除・配偶者控除の基礎|控除対象となる家族の考え方と申告漏れの還付申告
扶養控除・配偶者控除は、対象となる家族がいる場合に所得税・住民税が軽減される制度です。対象の考え方と、年末調整で反映されなかった場合に確定申告で還付を受ける方法を解説します(所得基準は改正されているため、最新の基準をご確認ください)。

扶養する家族や収入の少ない配偶者がいる場合は、扶養控除・配偶者控除により税金が軽減されます。反映漏れがある場合は、確定申告で還付を受けることができます。
扶養控除・配偶者控除の基礎
- 扶養控除:16歳以上で生計を一にし、所得が一定以下の親族が対象です。控除額は一般38万円、特定扶養親族(19〜22歳)は63万円、老人扶養は48万円(同居老親等58万円)です。国税庁
- 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者(内縁は不可)の所得や本人の所得に応じて、段階的に控除されます。国税庁
重要:配偶者や扶養親族の「所得の基準(いわゆる103万円の壁など)」は近年改正されており、金額が変わっています。適用される年分の正確な基準は、必ず国税庁の最新情報でご確認ください。
反映漏れは確定申告で還付を受けられます
年末調整で扶養・配偶者の控除を申告し忘れた場合や、離婚・死別後にひとり親控除・寡婦控除を適用できるにもかかわらず適用していなかった場合は、確定申告(還付申告・5年遡及可)で還付を受けられる可能性があります。
関連情報
- 借入の前に:今すぐお金が必要な場合の確認事項/公的な貸付・給付
- 正確な金額・手続き:国税庁のタックスアンサー・確定申告書等作成コーナー、または税務署・税理士にご確認ください(個別の還付額は個人差が大きいため)
- 現金化・ヤミ金を利用する前に、還付を受けられる税金がないかをご確認ください
控除を受ける手続きの流れ
- 年末調整で申告する(会社員):勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、対象となる配偶者・扶養親族を記載します。
- 年の途中の変動は勤務先に届け出る:結婚・離婚・死別、親の扶養、子どもの就職などの変動があった場合は、申告書の内容について勤務先で異動の手続きを行います。
- 漏れていた場合は確定申告で還付を受ける:年末調整に反映されなかった場合は、確定申告(還付申告・5年遡及可)で控除を適用できます。源泉徴収票と、扶養親族の所得が分かる情報を用意して手続きします。
確定申告で追加する場合は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで源泉徴収票の内容を入力し、配偶者・扶養親族の情報を追加すると、控除後の税額と還付見込み額が自動計算されます。扶養に入れる家族のマイナンバーの記載も必要になるため、あらかじめご確認ください。
対象となるか判断に迷うケース
判断に迷いやすいのは、「生計を一にする」の解釈です。これは同居が必須という意味ではなく、別居していても生活費や療養費の送金を常に行っていれば該当する場合があります。たとえば、離れて暮らす親に仕送りをしている場合は対象となる可能性があるため、送金の記録(振込明細など)を保管してください。手渡しで記録が残っていない場合の扱いなど、詳細な判断は税務署にご確認ください。一方、共働き夫婦の子どもは、夫婦のどちらか一方の扶養親族にしかできません(重複は不可)。年金収入のある親を扶養に入れられるかどうかは、親の所得が基準以下かどうかの判定が必要です。所得基準は改正されているため、必ず国税庁の最新情報または税務署でご確認ください。判断に迷う場合は、ご自身の判断で申告せず、税務署にご相談ください。
注意点
- 重複扶養:夫婦や兄弟が同じ人を重複して扶養親族として申告すると、後から否認されて追徴が生じることがあります。誰の扶養に入れるかを事前に決めておいてください。
- 年末の収入超過:扶養親族のアルバイト収入などが年末に基準を超えると控除が受けられず、年末調整のやり直しや修正が必要になることがあります。家族の収入見込みは早めに共有してください。
- 税の扶養と社会保険の扶養は別の制度:健康保険の被扶養者の基準と、税の扶養控除の所得基準は別の制度です。一方の扶養に入れた場合でも、もう一方が自動的に認められるわけではありません。それぞれの窓口(税は税務署、健康保険は勤務先・保険者)で確認が必要です。
- 所得の基準は改正で変わる:いわゆる「103万円の壁」など所得の基準は改正で変わっています。過去の解説記事の数字をそのまま適用せず、該当する年分の基準を国税庁でご確認ください。
よくある質問
Q.年の途中で離婚・死別しました。控除はどうなりますか?
A.扶養控除・配偶者控除は、原則としてその年の12月31日時点の状況で判定します。離婚・死別後はひとり親控除・寡婦控除の対象になる場合もあるため、あわせてご確認ください。過去の年分で適用していなかった場合も、還付申告で還付を受けられる可能性があります。
Q.兄弟で親に仕送りしています。どちらの扶養にできますか?
A.同じ人を扶養親族にできるのは1人だけです。兄弟で重複しないよう、事前に決めておいてください。それぞれの仕送りの状況をふまえた扱いの判断に迷う場合は、申告前に税務署へ相談してください。
Q.16歳未満の子どもは扶養控除の対象になりますか?
A.所得税の扶養控除の対象は16歳以上の扶養親族です。16歳未満の子どもは対象外ですが、住民税の非課税判定などに関係するため申告書には記載します。
働き方別の手続き方法
扶養控除・配偶者控除をどこで申告するかは、本人の働き方によって変わります。会社員・公務員は、勤務先に提出する扶養控除等(異動)申告書による申告が基本であり、記載どおりに年末調整で控除が反映されます。パートやアルバイトを掛け持ちしている方は、年末調整を受けられるのは原則1か所だけのため、全体として控除が正しく反映されているかを源泉徴収票で確認し、漏れていれば確定申告で調整します。自営業・フリーランスの方は年末調整の対象とならないため、確定申告書に配偶者・扶養親族の情報をご自身で記載して控除を受けます。年金から源泉徴収されている方で控除が反映されていない場合も、確定申告で調整できることがあります。いずれの場合も、毎年の源泉徴収票や申告書の控えで控除欄を確認する習慣をつけると、反映漏れに早く気づくことができます。特に、結婚・離婚・出産・家族の就職や退職など、家族の状況が変わった年は反映漏れが起きやすいため、注意して確認してください。
相談・申告の前に準備するもの
勤務先や税務署に相談する際は、次のものをそろえておくと円滑に進めることができます。
- 本人の源泉徴収票(確定申告で調整する場合)
- 扶養に入れたい家族の収入・所得の見込みが分かるもの(給与明細、年金の通知など)
- 別居の家族に仕送りをしている場合は、振込明細などの送金記録
- 本人と扶養親族のマイナンバーが分かるもの
窓口では、家族構成、同居か別居か、生活費を主に誰が負担しているか、家族それぞれの収入の種類と見込み額を聞かれるのが一般的です。家族の収入は正確に把握できていないことが多いため、事前に家族本人に確認してください。特にアルバイト収入のある子どもや年金収入のある親については、推測で判定せず、実際の金額を確認したうえで相談してください。準備が不十分な場合でも相談は可能ですが、追加の確認事項が生じ、手続きに時間がかかる場合があります。
まとめ
扶養控除・配偶者控除は、家族構成に応じて税金が軽減される制度です。所得基準は改正されているため、最新の基準を国税庁でご確認ください。反映漏れや、ひとり親控除・寡婦控除の適用漏れがある場合は、還付申告で還付を受けることができます。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は、公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報で確認し、確認日を記載しています
- 確認できなかった情報は「確認できず」と記載し、推測による断定は行いません
- 特定のサービスの利用を勧めることはせず、リスクと公的な相談先をあわせて掲載しています
RELATED ARTICLE関連記事
NEW固定資産税が払えないときの猶予・分納の相談方法
固定資産税が払えないときは、放置せずに市区町村の税務窓口へ相談することが大切です。徴収猶予・換価の猶予という法律上の制度と、分割納付の相談の進め方を解説します。
NEWふるさと納税は「節税」ではない|実質2,000円負担の正しい仕組み
ふるさと納税は税金が減る「節税」ではなく、自治体への寄附です。寄附額のうち2,000円を超える部分が控除され、実質2,000円の負担で返礼品を受けられる仕組みを、正確に解説します。
NEW借入の前に確認すべき税金の還付|納め過ぎた税金は5年分さかのぼって還付を受けられます
急にお金が必要な場合も、借入の前に還付を受けられる税金がないかをご確認ください。年末調整で反映されなかった控除は、確定申告(還付申告)で過去5年分さかのぼって還付を受けられる可能性があります。確認用のチェックリストを掲載しています。
NEWiDeCo・生命保険・地震保険|提出し忘れた控除証明書は確定申告で還付を受けられます
年末調整で生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)の証明書を提出し忘れた場合も、確定申告で還付を受けられます。各控除の概要と、5年さかのぼって還付申告する方法を解説します。
