還付申告の概要|年末調整で反映漏れした控除を取り戻す手順
還付申告とは、払い過ぎた所得税を確定申告で取り戻す手続きです。年末調整で反映漏れした控除や、年の途中で退職した場合などが対象で、過去5年分さかのぼれます。仕組みと手順を解説します。

「還付申告」とは、源泉徴収などで払い過ぎた所得税を、確定申告によって取り戻す手続きです。確定申告の義務がない給与所得者でも利用できます。
還付申告の対象になる主なケース
- 年の途中で退職し、その後就職せず年末調整を受けていない
- 医療費控除・寄附金控除・雑損控除(災害・盗難)を受けられる
- 住宅ローン控除の初年度
- 年末調整で生命保険料・地震保険料・iDeCo・扶養などの控除を出し忘れた
手続きと期限
確定申告書を作成し、税務署に提出します(国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxを利用すると便利です)。還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できるため、過去に見落としがあっても遡って取り戻せる可能性があります。出典:国税庁(還付申告)
還付金は、申告後おおむね1〜2か月程度で指定口座に振り込まれるのが一般的です(時期は申告方法・混雑状況で変動します)。
あわせて確認すべきこと
- 借りる前に:今すぐお金が必要なときに最初に確認すべきこと/公的な貸付・給付
- 正確な金額・手続きは:国税庁のタックスアンサー・確定申告書等作成コーナー、または税務署・税理士にご確認ください(個別の還付額は個人差が大きいため)
- 現金化・ヤミ金に頼る前に、取り戻せるお金がないかご確認ください
還付申告の流れ(一般的なステップ)
- 書類を集める:対象年分の源泉徴収票(勤務先発行)、受けたい控除の証明書類(医療費の明細、生命保険料・地震保険料の控除証明書など)、マイナンバーが確認できる書類、還付金の振込先口座を用意します。
- 申告書を作成する:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で画面の案内に沿って入力すると、還付見込み額まで自動計算されます。スマートフォンからも利用でき、マイナンバーカードがあればe-Tax送信まで完結できる場合があります。
- 提出する:e-Taxで送信するか、印刷して住所地を管轄する税務署へ郵送・持参します。
- 還付金の振込を待つ:申告後おおむね1〜2か月程度で指定口座に振り込まれるのが一般的です(時期は申告方法・混雑状況で変動します)。
提出先や書類の細かい要否は状況により異なるため、判断に迷う場合は税務署の相談窓口にご確認ください。操作に不安がある場合は、税務署での相談や電話相談も利用できます。
対象になるか迷うケースの考え方
還付申告ができるかどうかの基本的な判断軸は、「源泉徴収などで所得税を納めているか」と「反映されていない控除・払い過ぎがあるか」の2点です。たとえばアルバイトの掛け持ちで一部の給与が年末調整されていない人、年の途中で退職して再就職していない人、年金から源泉徴収されている人などは、払い過ぎになっている可能性があります。また、医療費控除・寄附金控除・雑損控除のように年末調整では扱えない控除は、会社員でも確定申告でしか受けられないため、「年末調整を受けたから自分には関係ない」と思い込まないことも大切です。逆に、そもそも源泉徴収された税額がない場合は、控除を追加しても戻る税金はありません。自分が当てはまるか判断できないときは、確定申告書等作成コーナーに試しに入力して還付額が出るか確かめるか、税務署に相談するのが確実です。
よくある不備と注意点
- 源泉徴収票が手元にない:勤務先(退職した会社を含む)に再発行を依頼できます。会社が対応しない場合は税務署に相談してください。
- 控除証明書をなくした:生命保険料・地震保険料などの控除証明書は、発行元(保険会社など)に再発行を依頼できます。
- 5年の期限を過ぎると請求できない:還付申告はその年の翌年1月1日から5年間です。古い年分に心当たりがある場合は、早めに確認してください。
- すでに確定申告した年分は手続きが別:一度確定申告を済ませた年分の控除漏れは、還付申告ではなく「更正の請求」という別の手続きになります(請求できる期間に制限があります)。詳しくは税務署にお問い合わせください。
- 住民税への反映:所得税の申告内容は市区町村へ連携され、住民税にも反映されるのが原則です。不明点がある場合は、お住まいの市区町村にご確認ください。
よくある質問
Q.確定申告の受付期間以外でも提出できますか?
A.できます。還付申告は確定申告の受付期間に関係なく、その年の翌年1月1日から5年間いつでも提出できます。混雑する春の時期を避けて手続きできるのも利点です。
Q.いくら戻ってくるか事前に分かりますか?
A.還付額は収入・控除の内容で大きく変わります。確定申告書等作成コーナーに入力すると自動計算されるため、提出前に確認できます。なお、控除額がそのまま戻るわけではなく、控除によって税額が計算し直された差額が還付される仕組みです。
Q.複数年分をまとめて申告できますか?
A.年分ごとに申告書を作成すれば、5年以内の複数年分をそれぞれ提出できます。年分をまたいで合算することはできません。各年分の源泉徴収票・証明書類をそれぞれ用意してください。
e-Taxと書面提出の選び方
還付申告の提出方法は大きく分けて、e-Taxでの送信と、印刷した申告書の郵送・持参の2通りです。どちらで提出しても還付申告としての効果は同じであるため、ご自身の環境に合わせて選択できます。マイナンバーカードと対応するスマートフォンがあれば、確定申告書等作成コーナーからそのままe-Taxで送信でき、自宅で手続きが完結します。書類の郵送や税務署への移動が不要な分、手間は小さくなります。一方、マイナンバーカードを持っていない人や、画面の操作に不安がある人は、作成コーナーで入力した申告書を印刷して郵送・持参する方法でも構いません。窓口に持参すれば、その場で形式面の不足を確認してもらえる利点もあります。どちらの方法でも、入力の途中でデータを保存して後日続きから再開できるため、一度で完成させる必要はなく、書類がそろった控除から順に入力する方法も可能です。なお、提出方法や時期によって還付金の振込までの期間は変動します。当座の資金繰りに関わる場合は、提出のタイミングであわせて目安を確認しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
税務署で相談する際の準備
ご自身で判断できない点がある場合は、住所地を管轄する税務署の相談窓口を利用できます。時期によっては事前予約が必要なことがあるため、まず電話で相談方法と予約の要否を確認してください。持ち物としては、対象年分の源泉徴収票、受けたい控除の証明書類、本人確認書類とマイナンバーの分かるもの、還付金の振込先口座の情報を一式そろえておくと、相談が円滑に進みます。窓口では「どの年分の話か」「どの控除に心当たりがあるか」「収入は給与か年金かそれ以外か」といった点を聞かれるのが一般的なので、あらかじめメモにまとめておくとやり取りが短時間で済みます。相談自体に費用はかからないため、書類がそろい切っていない段階でも、「何が足りないかを確認しに行く」使い方ができます。電話で済む内容か窓口での相談が必要かについても、最初の電話の際に案内を受けられます。
まとめ
還付申告は、払い過ぎた所得税を取り戻す手続きであり、過去5年分さかのぼって申告できます。年末調整の控除漏れや年の途中での退職に心当たりがある場合は、借入を検討する前にご確認ください。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連の情報サイトについて多数の運営実績を持つ編集チームです。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
- 掲載情報は、公式サイト・政府広報・金融庁等の一次情報で確認し、確認日を記載しています
- 確認できなかった情報は「確認できず」と記載し、推測による断定は行いません
- 特定のサービスの利用を勧めることはせず、リスクと公的な相談先をあわせて掲載しています
RELATED ARTICLE関連記事
NEW医療費控除の要件と手続き|10万円の壁とセルフメディケーション税制の選び方
医療費控除は、1年間の医療費が一定額を超えたとき、確定申告で税金が戻る制度です。10万円(または所得の5%)の基準、対象になる費用、市販薬のセルフメディケーション税制との選び方を解説します。
NEW借入の前に確認すべき税金の還付|納め過ぎた税金は5年分さかのぼって還付を受けられます
急にお金が必要な場合も、借入の前に還付を受けられる税金がないかをご確認ください。年末調整で反映されなかった控除は、確定申告(還付申告)で過去5年分さかのぼって還付を受けられる可能性があります。確認用のチェックリストを掲載しています。
NEWiDeCo・生命保険・地震保険|提出し忘れた控除証明書は確定申告で還付を受けられます
年末調整で生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)の証明書を提出し忘れた場合も、確定申告で還付を受けられます。各控除の概要と、5年さかのぼって還付申告する方法を解説します。
NEW固定資産税が払えないときの猶予・分納の相談方法
固定資産税が払えないときは、放置せずに市区町村の税務窓口へ相談することが大切です。徴収猶予・換価の猶予という法律上の制度と、分割納付の相談の進め方を解説します。
