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個人再生で自宅は残せる?住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の要件と注意点【2026年7月】

個人再生では、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を使うと、自宅を手放さずに借金を圧縮できます。仕組み・主な要件・注意点を、裁判所の情報をもとに解説します。

個人再生で自宅は残せる?住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の要件と注意点【2026年7月】

個人再生は、継続的な収入がある人が、裁判所の認可を得て借金を大幅に圧縮し原則3年(最長5年)で返済する手続です。その中で「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を使うと、自宅を残したまま他の借金を整理できます。

住宅ローン特則の仕組み

住宅ローンは再生による圧縮の対象外で、原則これまでどおり払い続けることで、自宅を手放さずに済みます(滞納分は遅延損害金を含め支払う)。保証人にも特則の効力が及ぶため、保証人が一括請求されずに済みます。出典:裁判所(個人再生)

主な要件

  • 自己の居住用の建物であること(店舗兼用なら居住部分が床面積の2分の1以上)
  • 住宅ローンのための抵当権が設定されていること
  • その住宅にそれ以外の担保権が設定されていないこと
  • 保証会社が保証債務を履行(代位弁済)してから6か月が経過していないこと

条項の型は法定で「期限の利益回復型」「リスケジュール型」「元本の一部猶予型」の3つがあります。利用には住宅ローン債権者との事前協議が重要です。要件を満たすかは専門家に確認してください。

借金の相談はどこへ?(無料・公的)

  • 法テラス(日本司法支援センター):無料法律相談と弁護士・司法書士費用の立替(資力基準あり)。費用の目安
  • 金融庁 多重債務相談窓口:0570-016811。窓口案内(弁護士会・司法書士会等を紹介)
  • 弁護士会・司法書士会・消費生活センター(188)
  • ヤミ金・違法業者の被害は:無登録業者の見分け方と相談先

※債務整理は弁護士・司法書士に相談するのが基本です。本記事は特定の事務所を勧めるものではありません。

個人再生手続の一般的な流れ

個人再生は裁判所を通じた手続で、大まかには次のような段階を踏みます(詳細な運用は裁判所により異なります)。

  1. 弁護士・司法書士への相談と依頼:受任通知が送られると、貸金業者からの直接の取り立ては法律上制限されます。
  2. 債権調査・家計の整理:借入先と残高を確定し、住宅ローンの状況や毎月の収支を整理します。
  3. 裁判所への申立て:必要書類をそろえて申立てを行います。裁判所によっては個人再生委員が選任されます。
  4. 再生計画案の作成・提出:住宅ローン特則を使う場合は、その内容を計画に盛り込みます。
  5. 債権者の決議・意見聴取と認可決定:裁判所の認可決定が確定すると、計画に沿った返済が始まります。

認可されるかどうか、どの型の条項を使えるかは個別事情によるため、見通しは必ず専門家に確認してください。

住宅ローン特則を使う場合は、申立て前に住宅ローンの債権者や保証会社と返済方法について協議しておくことが実務上重要とされています。金融機関側にとっても「自宅を残して払い続けてもらう」ことが回収につながるため、誠実に事情を説明すれば協議に応じてもらえる場合があります。

申立て前に整理しておきたいこと(事前準備)

相談を効率よく進めるため、次の資料・情報を手元に集めておくと役立ちます。すべてそろわなくても相談自体は可能です。

  • 住宅ローンの契約関係:金銭消費貸借契約書・返済予定表・不動産の登記事項証明書で、担保の設定状況を確認します。
  • 滞納の有無と保証会社の動き:滞納が続くと保証会社が代位弁済を行うことがあります。代位弁済から6か月が経過すると特則は使えなくなるため、滞納があるなら一日でも早い相談が重要です。
  • 住宅ローン以外の担保の確認:不動産担保ローンやリフォームローンなどで住宅に別の担保権が付いていると、特則を使えない場合があります。
  • 家計収支の把握:圧縮後の返済と住宅ローンを並行して払い続けられることが前提になるため、毎月の収支を書き出しておきましょう。
  • 収入を示す資料:給与明細や源泉徴収票など、継続的な収入があることを示す資料は、個人再生の前提を確認するうえで欠かせません。転職直後や歩合給の場合も、状況の分かる資料をそろえておきましょう。
  • 住宅ローン以外の借金の全体像:どの債務をどれだけ圧縮できるかは、債務全体の把握が出発点です。カードのリボ払いや家族・知人からの借入も含めて一覧にしておくと、相談がスムーズに進みます。

利用できるか迷いやすいケースの考え方

  • ペアローン・共有名義:夫婦がそれぞれローンを組んでいる場合など、権利関係が複雑なときは扱いの検討が必要です。結論は個別事情によるため専門家に確認を。
  • 店舗・事務所と兼用の建物:居住部分が床面積の2分の1以上であることが求められるため、兼用の場合は図面などで確認が必要です。
  • 親族が住む家・単身赴任中:「自己の居住用」といえるかが問題になります。生活の本拠かどうかで判断が分かれ得るため、状況を正確に伝えて相談しましょう。
  • すでに競売の手続が始まっている:段階によって取り得る対応が変わります。放置せず、直ちに弁護士へ相談してください。
  • 返済条件の変更を希望する場合:リスケジュール型など返済方法の変更を伴う型を使えるかどうかは、債権者との協議や裁判所の判断が関わります。希望があれば早い段階で専門家に伝えてください。

つまずきやすい注意点

  • 住宅ローン自体は減額されない:特則は「自宅を残すための仕組み」であり、住宅ローンの負担そのものを軽くする制度ではありません。
  • 返済が長期にわたる:圧縮後の債務の分割返済と住宅ローンの返済が並行するため、無理のない計画かどうかの見極めが重要です。
  • 官報への掲載・信用情報への登録:手続開始決定などは官報に掲載され、信用情報にも一定期間登録されます。戸籍や住民票には載りません。
  • 不正確な申告は禁物:財産や債権者を正確に申告しないと手続に支障が出ます。有利に見せようとせず、ありのままを伝えることが結果的に近道です。
  • 手続中も住宅ローンの支払いは続く:特則を使う場合、手続中も約定どおり(または裁判所の許可を得た内容で)住宅ローンを支払い続けるのが原則です。支払いが止まると計画そのものが揺らぐため、生活費とのバランスを最初に確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q.住宅ローンを滞納していても特則は使えますか?
A.滞納分を遅延損害金を含めて支払う前提の型(期限の利益回復型)などが法定されていますが、保証会社の代位弁済から6か月が経過していると使えません。滞納があるなら早急に専門家へ相談してください。

Q.ローンが残っている自動車はどうなりますか?
A.所有権留保が付いている場合、債権者が車を引き揚げることがあります。契約内容によって扱いが異なるため、ローン契約書を確認のうえ相談時に伝えましょう。車が生活や仕事に不可欠な場合は、その事情も含めて方針を検討してもらえます。

Q.家族や勤務先に知られますか?
A.裁判所や依頼した専門家から勤務先へ通知される仕組みはありませんが、官報に掲載されるほか、書類の準備で家族の協力が必要になる場合があります。同居家族に知られたくない事情があるなら、最初の相談時に伝えておきましょう。

Q.申し立てれば必ず家を残せますか?
A.認可の可否や住宅を維持できるかは、収入・財産・住宅ローンの状況など個別事情によります。断定はできないため、法テラス(0570-078374)や弁護士・司法書士に見通しを確認してください。

まとめ

個人再生の住宅ローン特則を使えば、自宅を残しながら他の借金を圧縮できます。ただし要件があり、住宅ローンは払い続ける必要があります。自宅を残したい場合は、早めに弁護士・司法書士に相談しましょう。

本記事は制度の一般的な解説で、特定の法律事務所・手続を勧めるものではありません。要件・費用・期間・可否は事案や裁判所・事務所により異なり、最終的な判断は裁判所・専門家によります。正確な内容は弁護士・司法書士・法テラス等でご確認ください(2026年7月時点の法令・公的情報をもとに作成)。

この記事の執筆者

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マネーガイドジャーナル編集部

金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。

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