お金を借りるときの金利の上限は何%?利息制限法と出資法をわかりやすく解説【2026年7月】
お金を借りるときの金利の上限は、利息制限法で年15〜20%、出資法で年20%と定められています。これを超える利息は無効・違法です。条文をもとにわかりやすく整理します。

【重要】注意喚起
本記事は法律の一般的な解説です。個別の契約の有効性は事情により異なります。
お金を借りるときの金利には法律で上限があります。これを超える契約や利息は無効・違法であり、上限を大きく超える貸付はヤミ金の可能性が高いといえます。
利息制限法の上限(民事上無効になるライン)
利息制限法1条により、有効な利息の上限は元本の額で決まります。
- 元本 10万円未満:年20%
- 元本 10万円以上100万円未満:年18%
- 元本 100万円以上:年15%
これを超える利息の契約は、超過部分が無効です。また、名目を問わず元本以外に受け取る金銭は利息とみなされます(みなし利息・利息制限法3条)。営業的な貸付の違約金は年20%を超える部分が無効です(同7条)。
出資法の上限(刑事罰のライン)
出資法5条2項により、業として行う貸付けで年20%を超えると刑事処罰の対象になります。さらに年109.5%を超える超高金利の契約・受領・要求には、ヤミ金対策として特に重い罰則が定められています(同5条3項)。出資法の上限は2010年6月に29.2%から20%へ引き下げられました。
出典:国民生活センター 誌上法学講座(利息制限法・出資法・貸金業法)/出資法(e-Gov)
被害に遭った・勧誘されたときの相談先
- 警察相談専用電話「#9110」(緊急時は110番)
- 消費者ホットライン「188」(消費生活センター)
- 金融庁 多重債務相談窓口:0570-016811(平日10〜17時)。窓口案内
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051-051。窓口
- 法テラス:ヤミ金の相談/お金に困ったら公的な貸付・給付も検討を
なぜ上限が「二段構え」になっているのか
金利の上限が利息制限法と出資法の二つの法律で定められているのは、役割が違うためです。利息制限法は民事のルールで、上限(年15〜20%)を超える利息の契約を無効にします。出資法は刑事のルールで、業として年20%を超える貸付けを処罰の対象にします。同じ「上限」でも、片方は契約の効力の問題、もう片方は犯罪になるかどうかの問題という違いがあります。
かつては両者の上限に差があり、利息制限法の上限は超えるものの出資法の処罰ラインには達しない金利帯は「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。本文で触れた2010年の引き下げでこの差は解消され、現在の「民事上は年15〜20%まで、業としての貸付けは年20%超で刑事罰」という形になっています。なお、グレーゾーン時代に支払った超過利息(いわゆる過払い金)を取り戻せるかどうかは、取引の時期や内容など個別事情によるため、心当たりがある場合は弁護士・司法書士に相談してください。
この二つの法律に加えて、貸金業者に対しては貸金業法が登録制度や取立て行為の規制、収入に応じた貸付額の制限(総量規制)などのルールを定めています。金利・登録・取立てという複数の面から利用者を守る仕組みになっており、どれか一つでも守らない業者は違法です。
契約前チェックリスト:金利以外もここを見る
表向きの金利が上限内でも、それだけで安全とは限りません。次の点が一つでも不透明な相手とは契約しないでください。
- 貸金業の登録があるか(登録番号の表示があり、公的な登録情報と一致するか)
- 貸付金額・年率・返済方式を記載した契約書面を交付するか
- 保証料・手数料・調査料など、利息以外の名目の支払いを求めていないか(本文のとおり、元本以外に受け取る金銭は原則として利息とみなされます)
- 遅延損害金の率が契約書に明記されており、適法な範囲に収まっているか
- 返済が遅れた場合の取立て方法について、脅すような説明をしていないか
金利を確認するときは、「月◯%」「10日ごと」など年率以外の表現に注意してください。短い期間の率は一見小さく見えますが、年率に直すと法定上限を大きく超えていることがあります。年率でいくらになるのかを必ず計算・確認し、示せない相手とは契約しないことが原則です。
上限を超える利息を求められた・払ってしまったときの対処フロー
- それ以上支払う前に立ち止まる:「まず払ってから相談」ではなく、支払う前に相談してください。支払いを重ねるほど取り戻しの手間は増え、相手に「払える人」と認識されて要求が続きやすくなります。
- 記録を保全する:契約書・振込記録・やり取りの画面をすべて保存する。金利の計算根拠を示す資料になります。
- 相談する:消費者ホットライン「188」、脅迫的な取立てがあれば警察相談専用電話「#9110」へ。
- 支払済みの利息の扱いや契約の効力は個別事情によるため、法テラス(0570-078374)や弁護士・司法書士に確認する。
- 無登録業者の疑いがあれば、日本貸金業協会(0570-051-051)・金融庁(0570-016811)にも情報提供・相談を。
よくある質問(FAQ)
Q1. 友人・知人とのお金の貸し借りにも上限はありますか?
あります。利息制限法の上限(元本に応じ年15〜20%)は個人間の貸し借りにも適用され、超過部分の利息は無効です。また、個人であっても反復継続して貸し付ければ貸金業に該当し得ます。SNSなどの「個人間融資」でこの上限を大きく超える利息を求められた場合も、当然に違法の疑いがあるため、応じずに相談窓口へ連絡してください。
Q2. 遅延損害金にも上限はありますか?
本文で触れたとおり、営業的な貸付けの遅延損害金(違約金)は年20%を超える部分が無効とされています。通常の利息だけでなく、遅れた場合の率まで含めて契約書に書かれた内容が適法な範囲か、契約前に確認しましょう。
Q3. 金利が上限の範囲内なら、安全な業者と考えてよいですか?
金利は判断材料の一つにすぎません。無登録での営業や違法な取立ては、金利とは別の問題として違法です。実際、登録業者を装って上限内の金利を提示し、契約後に別名目の支払いを求める手口も報告されています。登録の有無・契約書面・取立ての態様まで含めて確認し、少しでも不審な点があれば契約前に相談窓口へ問い合わせてください。
取引の記録を残しておくことの大切さ
金利が適法かどうかを後から確認したり、専門家に相談したりする場面では、取引の記録が最も重要な材料になります。契約のときだけでなく、返済中も次のような記録を意識して残しておきましょう。
- 契約書や条件が書かれた書面・画面は、返済が終わるまで必ず保管する
- 返済はできるだけ振込など記録が残る方法で行い、明細を保管する
- 手渡しで支払った場合は、受け取りを証明する書面をもらって保管する
- 業者とのやり取り(メッセージや通話の日時・内容のメモ)を時系列で残す
これらがそろっていれば、支払った利息が上限の範囲に収まっているかの確認や、過払いの可能性の検討がしやすくなり、相談を受けた専門家も見通しを立てやすくなります。逆に記録がないと、事実関係の確認に時間がかかり、主張の裏付けも難しくなります。「きちんと返しているから大丈夫」と思っている取引ほど、記録を習慣として残しておくことが将来の備えになります。
Q4. 契約書をなくしてしまい、金利が適法だったか分かりません。
手元に契約書がなくても、振込の明細や通帳の記録から取引の流れを整理できる場合があります。取引の履歴をどのように確認していくかも含めて、弁護士・司法書士や本文で紹介した相談窓口に問い合わせてみてください。書類がないことを理由に諦める必要はありません。
まとめ
金利の上限は利息制限法で年15〜20%、出資法で年20%です。「10日で3割」などの法外な利息を求める貸付は違法なヤミ金です。上限を超える利息は支払う義務がないため、契約前後を問わず相談窓口へ。
この記事の執筆者
マネーガイドジャーナル編集部
金融関連情報サイトの運営実績を多数持つ編集チーム。株式・不動産・FXなど幅広い金融資産の運用経験と、外資系ITコンサルティングファームで金融機関の案件に従事した実務経験をもとに、公式サイト・公的機関の一次情報を確認しながら記事を制作しています。
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